連載 人事担当者のための正しいメンタル不全対策 第 7 回 職場復帰のタイミングは 人事が主導して導き出す

今回は、うつになった社員が回復し職場復帰をする際、また不調に陥らないよう、適切なタイミングで復帰してもらうにはどうすればよいか、ということについてお話しします。まずは事例を見てみましょう。
【症例】G 氏 42 歳・男性(製造業・係長)
G 氏は異動や私生活のストレスが重なり、うつ病を発症した。最初は「休むと皆に迷惑がかかるから」と働きながらの治療を選択したが、2 カ月後には出社できなくなり自宅療養へ。自宅療養初期にはまったく睡眠がとれなかったが、4 カ月ほど経つと、薬の効果もあってか毎日4 時間程度の睡眠を確保できるようになり、食欲も徐々に回復していった。
そんなある日、G 氏は主治医が発行した「職場復帰可能。ただし、当面の間は勤務を軽減することが望ましい」という診断書を会社に持参した。繁忙期で、職場としてもぜひ復帰してもらいたい状況であったことから、職場の部長は復帰を検討、まずは半日勤務を提案した。しかしG 氏は「4 カ月以上も休んだのに半日勤務など申し訳ない。その気持ちがかえってストレスになるので、何とか通常勤務をさせて欲しい」と答えた。部長はこれを受けて人事労務担当者と相談し、通常勤務(ただし時間外勤務は禁止)で復帰させることを決めた。
職場復帰して2 日め、誰よりも早く会社に出勤していたG 氏を見かけた人事労務担当者は、あまり無理をしないようにと声をかけた。するとG 氏は「どうしても朝早く目が覚めてしまう。長い期間休んでいて仕事もたまっているので、早く来ているほうが気が楽」と答えたという。
しかし、職場復帰後9 日めに事件が起きた。本来であれば1 万個発注しなければならないものを1000個しか発注せず、生産ラインが一時的に停止してしまうというミスをおかしてしまったのである。課長のフォローによって大事には至らずに済んだが、G 氏は「以前はこんなミスはしなかった」と大変落ち込んでいた。その翌日、G 氏は自宅にて首吊り自殺を図った。幸い、妻が早期に発見したため一命は取りとめたが、再び休職を余儀なくされた。