STRATEGY 多様な価値観、個性を受容し 新たな価値を創造するリーダーを育てる

世界140 カ国でヘルスケア事業を展開し、10 万人もの社員を擁するノバルティスグループ。企業目的と企業価値に基づく行動規範を重視し、その理解と実践を人材育成の柱に据える。とりわけ重視しているのが次代を担うリーダーの育成。グローバル本社のトップのみならず、日本のトップも自ら育成に関与し、戦略的なリーダー育成に注力している。
人材育成のベースは企業目的の実現にあり

ノバルティスにおける人材育成について語る時、欠かすことができないものがある。それは「人々のいのちと健康に貢献する」という企業目的だ。この企業目的の実現こそがノバルティスが社員に求める要であり、それに基づく企業価値、行動規範を理解させ、実践させることが、人材育成の指針であると言っても過言ではない。
ノバルティスは、ヘルスケアのリーディングカンパニーとして世界140 カ国以上で事業活動を展開し、各国で働く社員の総数は10万人にもおよぶ。企業が持続的に成長していくためには、こうした事業規模や開発力が大切だが、それに加えてノバルティスが重要視しているのは“企業文化”とそれを支える“人”である。
特に、医薬品を扱うノバルティスファーマは人命にかかわる事業であることから、患者さんへの責任と共に、企業倫理の遵守、社員と地域社会の尊重、環境への配慮など、企業として責任ある事業運営や社会活動を行わなければならない。それによって社会から信頼され、そこで働く社員が誇れる企業にならなければ、持続的な成長は望めないと私たちは考えている。
企業文化とは、その企業で働いている社員1 人ひとりの行動の集積に他ならない。そこでノバルティスでは、10万人の社員が共有すべき姿勢や行動として、「企業価値に基づく行動規範(バリュー& ビヘイビア)」を定めている(図表1)。特に現場の中心的立場にあり、模範となるべきリーダーについては、この企業価値の理解と、それに基づく行動規範の実践が徹底的に求められる。「常に顧客に目を向ける」「スピードをもって行動する」といったことが、つねに実際の行動として現れていなければ、たとえ一時的に高いパフォーマンスを発揮できたとしても、ノバルティスが求めるリーダーとしての成果を継続的に上げることができないからである。それゆえ、この行動規範は、リーダーの登用において、あるいはその後の成長をチェックする際にも大事な基準となっている。
リーダーに求められる人材育成

ノバルティスがリーダーに求める要件の柱は、先にも述べた企業価値に基づく行動規範の実践である。そして言うまでもなく、各事業部門で求められる専門知識とスキルも必要。また、ノバルティスを牽引していく人たちには、経営に必要なビジネス知識やスキルを身につけることも要求される。