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「平成20年高年齢雇用実態調査」結果発表
高齢者雇用は概ね促進されているが、社内制度との不具合も示唆
●厚生労働省
厚生労働省では、改正高年齢者雇用安定法施行後における事業所の高齢者雇用の実態を把握するために実態調査を行った。5人以上の常用労働者を雇用する民間事業所を無作為に抽出し、6465事業所から有効回答を得た。なお、高年齢者雇用安定法は原則として①定年の引き上げ、②継続雇用制度の導入(希望者全員でなくても可)、③定年の廃止、のいずれかの実施義務を課したもの。
一律の定年制がある事業所は67.1%(平成16年実施時には72.6%)で、うち定年年齢が65歳以上の事業所は14.8%(同8.3%)、60歳以上の労働者を雇用している事業所割合は59.4%(同50.5%)といずれも前回よりも高齢者雇用が促進されていることが見てとれた。こうした雇用拡大のための措置として、60歳以上の労働者のために現在「特別の措置をとっている」は46.1%(同30.1%)で、その内容としては上から「適職への配置、仕事分担の調整」が27.2%、「仕事量の調整」が26.7%、「労働時間の短縮、勤務時間の弾力化」が26.2%。また、雇用拡大には「公的援助が必要」とする企業が55.9%(同41.8%)で、援助を求める内容としては「賃金に対する助成」が46.9%(同33.5%)、「人材の紹介」が15.2%(同12.3%)だった。
定年後の継続雇用制度がある事業所で、継続雇用を希望しなかった人たちの理由は、働く意欲がないなどの「制度とのミスマッチ以外」が83.5%、「制度とのミスマッチ」が17.8%。これを事業所の制度別に見ると、勤務延長制度および再雇用制度がある事業所では、「制度とのミスマッチ」が40.1%と高くなることがわかった。このうち、「賃金水準が合わない」が25.0%で最も高く、次いで「勤務場所が合わない」が20.1%。また、勤務延長制度のみの事業所では、「制度とのミスマッチ」が6.6%と低かった。一方、再雇用制度のみでは、「制度とのミスマッチ以外」が88.3%と高く、その中でも「定年退職後に働く意志がない」が70.8%と大部分を占め、制度により働く意欲が変わることが明らかになった。
問い合わせ
厚生労働省 担当: 雇用統計課 雇用第一係
TEL:03‒5253‒1111(内線7616)