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今月のテーマ:タレントマネジメント
■タレントマネジメント
タレントマネジメントとは、経営戦略に沿って、組織に貢献する人材を採用、育成、定着化させる一連の活動を統合的に行うことであり、米国発の用語。端的にいえば個に着目した一貫性のある人材マネジメントを意味する。
この言葉の端緒は、1997年に世界的コンサルティング企業であるマッキンゼー・アンド・カンパニーが発表したレポート「The War for Talent」である。企業の価値を生み出すのは人材(Talent)であり、グローバル市場において優秀人材の争奪戦が起きていることと、その獲得と定着化に成功した企業が競争優位を獲得すると述べた。
当時のタレントマネジメントは、優秀人材の獲得と定着化に重点が置かれた。ただし、高額な報酬だけでは定着化は難しく、優秀人材の内的動機づけを強化し、企業への帰属意識を高める諸施策が重要だと指摘された。
その後、経営人材の社内育成や、中間層強化の重要性が認知されたことなどを背景に、1 人ひとりの才能に着目した人事・人材開発戦略をカバーする言葉へと変化してきたといえる。