新連載 現場教育の落とし穴 Vol.1 模範を示すか丸投げか── 教育レベルは上司の行動しだい
ビジネスの現場では、さまざまな教育、訓練が日々盛んに行われている。しかしそこには、教育の達人もいれば、凡人もいる。本連載では現場教育の具体的ケースを使って「どんな問題があり」「何が起きているのか」、そして「どんな解決策があるのか」を紹介し、本社人事スタッフの問題解決の“気づき”をお手伝いしたい。
手始めは、ある百貨店でISO14000(環境マネジメントシステム規格)シリーズの認証取得をめざして改善活動を行っている時に起きたケースだ。
環境マネジメントの目的は、ゴミ問題に代表される、製品・サービスに伴う環境負荷の低減である。この百貨店もプロジェクトを組み、ゴミの分別活動からスタート。ゴミの分別方法を説明した指示書を現場に送付した。
ところが、ゴミを分別し始めてから1 週間で不思議なことが起きた。ゴミ分別のレベルが売場ごとではなく、フロアごとに違うのである。きちんとゴミを分別しているフロアと、適当に分別するフロアとにはっきり分かれてしまったのだ。疑問を持ったプロジェクトメンバーが現場に聞き取り調査をしてみると、意外なことがわかった。