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「2009年度日本経営品質賞」受賞組織決定
顧客満足度、従業員満足度、財務状況が受賞のカギに
●日本経営品質賞委員会
日本生産性本部が1995年に設立した日本経営品質賞委員会は12月1日、2009年度の日本経営品質賞受賞組織を発表した。日本経営品質委員会は、日本企業が世界に通用する経営構造を持つことを目的とし、「卓越した経営の仕組み」を有する企業を表彰する他、委員会は経営品質向上のためのプログラムなども提供している。
今年度の日本経営品質賞中小規模部門は、スーパーホテルと万協製薬の2社が受賞した(受賞理由は以下)。なお、2000年に受賞した武蔵野が再申請し、受賞組織2社と同レベルの評価を受けたが、中小規模部門の表彰枠が2社のため、受賞は見送られた。また、本年度から日本経営品質賞へのステップとして新設された「経営革新奨励賞」は、ねぎしフードサービスが受賞した。これらの表彰式・報告会は2月25、26日に開催される予定。
●スーパーホテル:顧客のセルフチェックインなどの徹底したコストダウンで1泊5000円以下の低価格を実現しつつも、顧客ニーズを的確につかむことで、収益性を高めるという新たなビジネスモデルを確立した。順調に企業規模を拡大したが、30店舗を超えた時期に、それまでの会長主導のトップダウン形式では現場に意図を伝え切ることが難しいと判断。経営品質向上プログラムを活用した経営スタイルに転換した。部門長への権限委譲を進めてリーダーシップ開発をするとともに、経営幹部・管理職が参加する「経営品質向上会議」を毎月一度開催し、戦略的に重要なテーマを議論している。このような取り組みにより、社員1 人ひとりが経営者の意識を持って仕事に当たる“全社員参画経営”を人材育成の核としている。高い顧客満足度、社員満足度が、財務結果などの成果に結びついている点が評価された。
●万協製薬:1960年創業だが、阪神淡路大震災に被災してすべてを失った後、わずか3名で再建に取り組む。これを機に、業界では先駆的なスキンケア用品の受託製造を始め、厳しい経営環境にもかかわらず顧客層を広げ、現在では社員100名、売上高16億円弱と急成長を遂げた。この間にさらなる持続的成長をめざして、経営品質プログラムを導入。革新的なビジネスモデルや、「工場そのものが商品」との考えに基づき常にプロセス革新を行っている点が受賞につながった。この他、3名単位でグループをつくりリーダーを任命する独自のリーダー制などの施策を通して、自律的な人材育成と相互扶助の精神が根づいた明るい組織風土を醸成しているなど多くの点が、中小規模の製造業における経営革新や組織開発のヒントになると評価された。
問い合わせ
日本経営品質賞委員会アドミニストレーション
TEL:03-3409-2641 URL : http ://www.jqaward.org/