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今月のテーマ:管理職
■コーチング
コーチングは質問を投げかけたり、相手の話に耳を傾ける技術を通じて、相手の中から“答え”を導き出し、自発的な行動を促すコミュニケーションスキルである。
コーチという言葉の起源は1500年代の馬車(coach)だと言われ、その後、大学で学生を指導する個人教師の呼び名となり、スポーツの世界へと広がっていった。ビジネス分野で使用されるようになったのは1960年代以降。1959年にハーバード大学のマイルズ・メイス(Myles Mace)が、その著書『TheGrowth and Development of Executives』の中で、コーチング(coaching)を重要なマネジメントスキルとして位置付けた。
1980年代から1990年代には、後にコーチングの権威として知られるトム・ピーターズ(Tom Peters)やデニス・F・キンロー(Dennis F. Kinlaw)などが、コーチングに関する書籍を相次いで出版。さらにCoach University(コーチ育成のためのバーチャル大学/1992年~)やCorporate Coach UInternational(ビジネスコーチ育成のための機関/1997年~)なども設立され、アメリカでコーチングブームが起こった。2000年代に入ると、欧米企業の多くでコーチングスキルがマネジャーの必須スキルとして導入されるようになり、日本でも1990年代後半以降、徐々に浸透してきている。