連載 部下が伸びる上司の心得 第2回 本腰が入っていない部下には “地図”を合わせる意識で接せよ
・業務を抱えているのに定時で帰る
・簡単にあきらめチャレンジしない
今回はこうした「仕事への踏み込みが足りない」と感じられる部下に対する上司の心得として、
①上司の側の思い込みを排除する
②部下に自分の望みを棚卸しさせる
③部下に期待感を込めて要望するの3 つをご紹介します。
まず思い込みを疑う
「 『地図』は『土地』そのものではない」これは、一般意味論と呼ばれる理論体系を構築した学者、アルフレッド・コージブスキーの言葉です。「地図」は“現実に対する解釈(脳内の認識)”の比喩、「土地」は“実際に起きている現実”の比喩として使われています。すなわち、解釈と現実とは必ずしも一致していない、ということを意味しています。そして、部下に対する上司の認識についても同じことが言えます。
いつも定時で帰る部下にあきれていた某企業のマネジャーA 氏は、しばらくして、「その部下は病気の親の面倒を見ており、私的な事情だからとそのことを話さずにいた」という事実を知りました。まさに“思い込み”。私たちは思い込みを持つ可能性があることを、自覚しておく必要があります。
では、どうすれば思い込みを排除できるのか。1 つの方法として、“セルフクエスチョン(自分への問いかけ)”をお勧めします。下記は、数々のエグゼクティブコーチの実績を持つマリリー・G・アダムスの著書『すべては「前向き質問」でうまくいく』で紹介されている、人に対する思い込みを排除するためのセルフクエスチョンです。