論壇 正しい教育パートナーを 選んでいますか?
今、付き合いのある教育団体*は、本当に御社を良くしようと真剣に考えているだろうか、そして本当に御社の社員の成長を真剣に望んでいるだろうか!
社員の能力を高め、組織価値向上に貢献する成果に導く効果的な研修を実施したいと望む人事教育研修担当者は、そのパートナーとなる教育団体選びにも重責を負っている。
数ある教育団体の中から、パートナーとすべき団体を選ぶ判断基準を紹介したい。
教育団体選び
真剣に考えていますか?!
御社では人材育成をどのようにとらえ、どこの教育団体*とタッグを組んで実施していますか?
唐突な質問のようですが、どこの教育団体とタッグを組むのかといった重要なことを、安易に決められてはいないでしょうか。しかし言うまでもなく、どこと組むか、誰と組むかによって社員に提供する研修や教育内容は大きく違ってきます。これは、慎重になるべき非常に重要なことなのです。
ここで本題に入る前に、人事教育研修担当者を、研修に対する考えから以下の「型」に分けてみます。以下のような型があるのではないでしょうか。
○「会社や社員のために、研修内容を真剣に吟味し構築していきたい」とする熱血真剣型
○「毎年同じ内容であれば安心」との過去継承型
○「できるだけ安く」のコスト重視型
○「運営に手間がかからないモノを」との省力型
○「内容はお任せします」との他力型
○「名前が通っている教育団体にお願いすれば安心」とのブランド依存型
○「ぼく教育のことわからないから」と言ってしまう勉強不足型
○「うちの社員って能力がないから」との評論家型……
この「型」の善し悪しを問いたいわけではありません。その会社組織の置かれている状況、人事教育研修担当者が与えられている使命も背景も違います。そうなると、もちろんコストも重要、効率性も重要、場合によっては外注先である教育団体に一任することも必要です。
ただ共通する思いは、受講者にとって有益で、組織と個人を強くする研修内容を実施していくことにあるはずです。社員がどのような能力を身につけ、どのような成長を図っていけるのか──それこそが会社や組織の将来を決定付けるものです。その意味で教育や研修は経営にとっても最重要課題。だからこそ、人事教育研修担当者が、教育研修の有効性を決定付けるパートナー選びを、真剣に考えて欲しいのです。
まして、社内の受講者たちには、受講前にその善し悪しや有効性を比較することはできません。ですから、人事教育研修担当者は責任を持ってその内容を吟味し、最適と思われる研修を社員に提供する大きな使命を担っているのです。
こうした使命感にあふれる方には、先の型で言えば「熱血真剣型」を志向されている方が多いようです。そこで、熱血真剣型を少しでも志向されている人事教育研修担当者の方へ、教育団体を見極める1 つの考えを示したいと思います。
教育団体には3つのタイプがある
まず、教育団体は大きく次の3 つのタイプに分かれます。
1 つは「プログラム売り」タイプ。「○○メソッド。やる気にさせる□□□研修」などと完成された定型プログラムを売りにしているところです。
2 つめは「先生・講師売り」タイプ。「著書で有名な○○先生が実施!」を謳い文句にしているところ。
そして3 つめは「ソリューション」タイプ。「 御社の課題によってカリキュラムや講座内容をカスタマイズしてご提案いたします」というところです。
もちろん、これらのタイプにきれいに区分けされるのではなく、3 つのタイプを合わせ持っている教育団体がほとんどです。ただし、強みとポイントを置いているところで特徴が出ます。3 つめのソリューションタイプ、いわゆる提案型営業を展開している会社が素晴らしい、という単純な構図ではないのです。
住宅販売にたとえられる教育団体の営業スタイル
教育団体を3 つのタイプに分けましたが、その営業スタイルは“住宅営業”に似ています。