第35回 新しい働き方がうまくいかなかった場合は? 藤原英理氏 あおば社会保険労務士法人 代表
働く人の価値観の多様化から「働き方」も変化し、現場の管理職の悩みも“イマドキ”なものになってきています。
そんなイマドキな悩みの解決方法を、社労士の藤原先生が紹介します。
第35回 新しい働き方がうまくいかなかった場合は?
「働き方改革」のため、当社でも在宅勤務制度とフレックスタイム制度を導入した。しかし、対象となる社員には好評を得ているものの、働き方を変えたことで業績が落ちた社員もおり、また一部の社員からは不公平だという反発も表面化している。せっかく導入した制度だが、一部を元に戻すなど、今から制度の変更をしてもいいものだろうか。
働き方改革で業績が悪化?
働き方改革が叫ばれる中、優秀な社員に残ってもらうために、多様な働き方を認める企業が増えつつあります。中でも、在宅勤務制度やフレックスタイム制度は、育児や介護の必要性が高まっている社会状況にマッチしているため、導入を検討している会社も多いことでしょう。
ところが、新しい制度を導入したものの、業務内容に合致せずうまく運用できなかったり、社員の意識改革が追いつかなかったりで、必ずしも成功したとは言い切れないケースも見受けられます。そうした場合、新しい制度の適用を取りやめることはできるのでしょうか。
在宅勤務はやめさせられるか
一般的には、従業員の待遇を現在よりも悪化させる雇用条件の変更は、不利益変更」と見なされます。したがって雇用者側の一方的な命令で変更することはできません。