企業の研修施設に突撃! 研修効果を高める ラーニングスペース 第6回 三井物産
「空間設計」は、社員の学びを促進する重要な要素のひとつである―。そう語
るのは、オフィス学を研究する東京大学大学院経済学研究科准教授の稲水伸行
氏である。特に企業が保有する研修施設には、研修効果を高め、学びを促進する
工夫があるはずだ。そこで本連載では稲水准教授が企業の研修施設をめぐり、
研修効果を高める工夫について解説する。今回は、三井物産の「三井物産人材開
発センター」を訪ねた。
三井物産人材開発センター
オフサイトで学びを促進
「ここに来ると、胸に迫ってくるものがあるんです。同期のみんなと真剣に青臭い議論した思い出などがあって。里山に立地しているというのもあるかもしれませんが、とても懐かしさを覚えます」(三井物産人材開発 代表取締役社長 亀山 巌氏)
今回ご紹介する三井物産人材開発センターは、JR 東海道線湯河原駅からタクシーで10 分ほどのところにあります(写真1)。静かな山あいに佇み、懐かしさを覚えるというのも分かるような気がします。1995 年設立で、研修棟の他に、食堂(写真2)やカフェテリアを備えた管理棟、合計100 室の個室を有する宿泊棟もあります。
「本社の大手町から隔離されているので、日常業務から離れてオフサイトで学びに集中できる環境です。メインは1泊2日や2泊3日の研修で、階層別やスキル系研修、また約130 の海外拠点の現地スタッフの研修なども行います」(亀山氏)
同社は、当研修施設の他に横浜市内にも研修施設を有しています。会社として年間460 回、延べ2万人の社員を対象とした研修を行っていますが、そのうち6000 人がこちらの人材開発センターを利用しています。ちなみに、一般利用も可能ということです。