寺田佳子のまなまな 第26 回 積木製作 関根健太さんに聞く VRで実現する「失敗からの学び」
「VR 元年」といわれた2016 年以降、一気に普及し、さまざまな可能性が広がる仮想現実の世界。
VR が切り拓く人材育成の未来とは―?
業界の先駆者、関根健太さんの目に映る「新しい学び」について聞きました。
心臓バクバクのリアル感
「ひゃぁぁぁ〜! こんな高いとこで作業なんて、ムリムリ、絶対ムリッ! アタシ、失敗するのでぇ〜!」
なりふり構わず絶叫しながら、高層ビルの建築現場の足場に必死にしがみつく。するとあろうことか、足場がグラッと傾き、安全帯を装着していない私は、
「あぁぁぁぁぁぁ〜」と悲壮な声をあげながら空しく墜落……、はぁ。
悪い夢を見ているわけではない。ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を着けて、仮想空間で高所作業をしている(つもり)、なのである。
そして、墜落の衝撃で思わずヘナヘナと座り込みそうになる私を心配そうに覗き込んでいるのが、今回のまなまなのお相手、積木製作のセールスディビジョン シニアディレクター、関根健太さんだ。
それにしても!
とても「仮想」とは思えない、この心臓バクバクの「現実」感! ふぅ。
心理学者、チクセントミハイが言った「時間を忘れるほどある活動に没入し、環境と自分が一体化したフロー(没入)状態」とはこのことか、などと腰を抜かしながらも考えているへこたれない私だが、わずか数分のVR(バーチャルリアリティ:仮想現実)体感教育で、作業現場でのうっかりミスは「いたしませんっ!」と心の底から思うのだから、その学習効果たるや絶大である。