めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第59回 2018年以降のビジネストレンドを考える
ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。
本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた情報のプロが、
最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。
2018年がスタートしたが、どのような1年になるだろうか。昨年はAI、ロボット、EV、自動運転、シェアリング、ヘルスケア、エネルギー、環境といった「成長ビジネス」への投資意欲が旺盛であり、また、「未来」を考えるためのセクションの設立ラッシュも大きな話題となった。とりわけ日本企業には未来探索セクションが少な過ぎると前々から感じていたので、この流れは大歓迎である。
ビジネスパーソンには、常に先読みの思考が必要である。私自身、毎年恒例となっているのが、年の初めに1年(短期)、5年(中期)、10 ~ 20年(長期)のビジネストレンドを予測するというルーティンである。思考力を磨くうえでは、うってつけのトレーニングになる。
大きくビジネスシーンを見ると、成長産業御三家とも形容できる「AI 、IoT 」「ヘルスケア」「エネルギー」といった分野は引き続き注目を集めるだろう。日経BP社が2017年12月に発刊した調査レポート「AIの未来」では、AIは20もの新産業を生み出すと提言している。ヘルスケア分野においては、世界に先駆けて少子高齢化社会を生き抜く日本の動きは世界中から注目されており、どのような新ビジネスが生まれてくるのかに注目している。また、エネルギートレンドは世界的に見ても大注目である。経済産業省が民間調査機関に委託して作成している委託報告書※1の2017年のレポートは、エネルギー関連の比率が高い印象を受けた。
おそらく5年後には今まで存在しなかったビジネスが多く登場してくるはずだ。スタートアップワールドカップ※2のような新たなビジネスの萌芽が感じられるイベントには注目したい。
人事担当者がとりわけ注目しておきたいのは、「クリエイティブな人材」という考え方ではないか。業種、職種に関わらず、AIや自動化という流れにはもはや逆らうことができない。人間が主体となって行う仕事を創出していく必要がある。
同時にAI人材の不足は既に決定事項であり、今から対策を練らなければならない。「フューチャリスト(未来研究担当者)」「データサイエンティスト」は多くの企業が配置すべきである。
2018年以降を読み解くための参考文献を、以下の通りジャンル分けしておく。
① 定番系ビジネストレンド書籍
② 投資家による書籍