セミナー・イベントレポート HRサミット2017 成果を問われる「管理者教育」のあり方 経験学習の繰り返しで、管理者の ぶれない「自分軸」をつくる 〜定番研修を「新・実力管理者研修」/「新・実力管理者基礎研修」にリニューアルした理由〜
職場の多様化や働き方改革が進む中で、職場におけるメンバーの価値観の相違や急激な環境変化に、どう対応していけば良いのだろうか。新たなマネジメントの在り方が問われる新時代の管理者教育はどうあるべきなのだろうか。日本能率協会マネジメントセンターでは、定番管理者研修をリニューアルした背景や今後の教育に必要な要素をHR サミット2017で発表した。本レポートはその時の同社のシニアHRM コンサルタントである宮田克美氏の講演をまとめたものである。
働き方改革で変わる管理者像 正解のない問いの答えは?
管理者に大きな影響を与える環境変化の1つに、働き方改革が挙げられます。国の働き方改革実現会議では、人口減少、職場の高齢化など、9テーマが検討されていますが、皆さんの会社ではどんな課題を抱えていらっしゃるでしょうか。
業種・業界や会社の規模によって、問題の様相はかなり異なります。そのため、フレックスタイム制や在宅勤務、時間外労働の上限規制などの施策は、導入が難しい会社もあるというのが実情でしょう。
今の管理者に求められているのは、「働き方の変化に応じたマネジメント」です。変化に対応するための方針・方向性を検討中だという会社も多いと思いますが、例えば、今後は育児に加えて介護でも、休暇の取得希望者は増えていくと考えられます。
管理者が新たな働き方を希望するメンバーにどう対応するのか。戦力が限られる中で、どう成果を上げていくのか。今後の大きな課題です。残業についても、収入を増やしたいからではなく、顧客の要望や期限内での業績達成のため、やむなくしている人のほうが圧倒的に多く、仕事量や取り組み方の見直しが必要です。
そのような状況の中、管理者は自分が決めた方針・計画で業務を遂行し、責任を取らなければなりません。限られたメンバーでいかに成果を上げ、生産性を上げるかが問われます。
外国籍の社員や若者も含めて、メンバーの価値観が多様化し、正解のない問いが溢れています。もし、一律に正解らしきものを押しつけたならば、メンバーの反発を食らうでしょう。既成概念と新しい価値観との接点を探ることも今の管理者に求められているのです。