寺田佳子のまなまな 第24 回 ドラッカー研究者 井坂康志さんに聞く 生き方が変わる?!運命の出会いに学ぶ方法
それは編集者として、ビジネスパーソンとして、道を歩み始めて間もない頃。
1冊の本を手にしたことで、価値観も働き方もガラリと変わってしまった—
そう語るのは、今回のまなまなのお相手、井坂康志さん。
「ビフォーアフター」を大きく変えた衝撃の出会い、そこから得た学びとは。
ドラッカーへのトビラを開く
半世紀前のベストセラー『断絶の時代』に衝撃を受けたモーレツ・サラリーマンから、ミリオンセラー『もしドラ(もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら)』に夢中になったイケイケ女子高生まで、経営学者、ピーター・F・ドラッカーに魅せられ、勇気づけられ、新しい世界の扉を開いた人は実に幅広い。
今回の「まなまな」のお相手で、ドラッカー研究者として活躍する井坂康志さんも、そのひとりである。
“もし井坂さんがドラッカーを読んでいなかったら”、どうなっていたのでしょう?
「きっと細胞の構造から、全く違っていたでしょうね(笑)」
なんと! ドラッカーを知る前と後、つまり『ドラッカー・ビフォーアフター』は違う生き物になっちゃった! そう思うくらい衝撃的な変化だったというのである。
例えばビフォーの時代。経済学を学び、編集者の道を歩み始めた井坂さんにとってのドラッカーといえば、「なんだか得体が知れないけれど、どうせ、うまく儲ける方法を年配の経営者たちに指南する“経営の神様”なんだろうなぁ」というものだった。
その井坂さんに、
「キミ、ドラッカーを読むといいよ」と薦めてくれたのが、日本経済研究センター会長で経済評論家として活躍していた金森久雄氏だった。
憧れのエコノミストからのアドバイスである。「得体が知れない」とか「オジサンが読む本」などと言ってはいられない。井坂さんは、さっそく『断絶の時代』『マネジメント』などの初期の作品を手に取った。
そして「おや?」と驚いた。