特別レポート 研修サービス市場規模は前年度比2.2% 増 一時的に研修会場が不足する事態も発生
2011 年度に底を打った企業向け研修サービス市場規模は、その後、堅調に回復し、2016 年度は事業者売上高ベースで5000 億円を突破した。企業の人材採用意欲とそれに伴う新入社員向け研修の需要が増加し、市場全体の拡大を牽引している形だ。こうした中で、研修施設貸し各社はハード(施設)、ソフト(サービス)の両面を強化することで、顧客の囲い込みに取り組んでいる。
新入社員向け研修が増加
企業の人材採用意欲が高まっている。厚生労働省が2017年9月に発表した同年8月の一般職業紹介状況の有効求人倍率は1.52倍となり、バブル期のピークだった1990年7月の1.46倍を上回っている(図1)。
企業の人材採用意欲が高まり、採用者数が増加したことで、新入社員向けの研修が活発に行われ、研修サービス市場全体の拡大に貢献している。矢野経済研究所が実施し、2017年7月に発表した「2017年 企業向け研修サービス市場に関する調査」の結果によると、2016年度の企業向け研修サービス市場規模は5080億円(前年度比2.2%増、事業者売上高ベース)となった(図2)。