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「人材育成と能力開発の現状と課題に関する調査」(企業調査、労働者調査)OJTの取り組みで最も多いのは「とにかく実践させ、経験させる」
●労働政策研究・研修機構
労働政策研究・研修機構は「人材育成と能力開発の現状と課題に関する調査」を、企業(2万社)と労働者(1万人)それぞれを対象に行い、その結果を2017 年8 月に発表した。
企業調査の結果の概要は、以下の通り。従業員に対する人材育成・能力開発の方針を問う設問では、「方針を特に定めていない企業」が17.9%。「従業員数10 人未満の企業」では25.2%が育成方針を定めていないことが分かった。効果的に仕事を覚えてもらうためのOJT の取り組みに関して最も多い回答は「とにかく実践させ、経験させる」(59.5%)。次いで「仕事のやり方を実際に見せている」(55.2%)、「仕事について相談に乗ったり、助言している」(50.8%)の順となった。OJT が「うまくいっている企業」(「うまくいっている」+「ある程度うまくいっている」)は77.7%。「うまくいっていない企業」(「あまりうまくいっていない」+「うまくいっていない」)は21.4% で、うまくいっていない企業の中で、業種別では「宿泊業、飲食サービス業」(29.8%)が最も高かった。OJT が「うまくいっている企業」と「うまくいっていない企業」で、非管理職の正社員の能力に対する満足度を比べると、うまくいっている企業では85.4% だったのに対し、うまくいっていない企業では45.9% となり、大きな差がついている。また、「Off-JT実施企業」の88.7% が効果を実感していることが分かった。
同じく人材育成・能力開発の取り組みについて行った労働者調査の結果の概要は以下の通り。「従業員数10 人未満の企業」では、OJT の経験がない人は34.2% となった。平成27 年度にOff-JTを受講した従業員は14.7% しかいなかった。その一方で受講したOff-JT によって得られた技能・知識などが仕事に役立った(「役に立った」+「どちらかというと役に立った」)とする人は、正社員(86.0%)、契約社員(91.3%)、パートタイマー・アルバイト(88.4%)となり、受講した従業員は有益だったと実感していることが分かった。
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労働政策研究・研修機構 調査部