企業の研修施設に突撃! 研修効果を高める ラーニングスペース 第1回 ブリヂストン
「空間設計」は、社員の学びを促進する重要な要素のひとつである―。そう語
るのは、オフィス学を研究する東京大学大学院経済学研究科准教授の稲水伸行
氏である。特に企業が保有する研修施設には、研修効果を高め、学びを促進する
工夫があるはずだ。そこで今連載では稲水教授が企業の研修施設をめぐり、研
修効果を高める工夫について解説する。初回は、ブリヂストンの「グローバル研
修センター」と「グローバル・モノづくり教育センター」を訪ねた。
グローバル研修センター
コンセプトは“宝石の原石”
最初に訪れたのは、広尾にある「グローバル研修センター」です。まず、印象的な施設の形が目に入りました(左ページ写真)。
「コンセプトは、『宝石の原石』です。私たちは、人材開発=宝石の原石を磨くことだと思っています。ここで研修を受ける社員が、原石から宝石へと成長してほしい。そして、当社グループも、社員と共に宝石のように輝き続けたい、という思いを込めてこの形にしました」(人材開発部 人材開発ユニットリーダー 後藤淳氏)
本来なら、立方体の建物を建てたほうが、限られたスペースを有効活用しやすいはず。それにも関わらず、このような特徴的な原石の形にしているところに、同社の人材育成に対する思いが感じられます。
「グローバルな経営人材の育成拠点として、経営層や経営後継人材層、次世代優秀人材層に対する階層別のプログラムを展開しています」(後藤氏)