めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第54回 Society5.0について語ろう
ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。
本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた情報のプロが、
最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。
「Society5.0(ソサエティー5.0)」をご存知だろうか。これまで本連載でも取り上げてきたAIやIoTといった「情報化社会」に続く、超スマート社会の名称である。
政府は2016年1月に「第5期科学技術基本計画」※1において、初めて公表した。「必要なものやサービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供し、社会のさまざまなニーズにきめ細かに対応でき、あらゆる人が質の高いサービスを受けられ、年齢、性別、地域、言語といったさまざまな違いを乗り越え、活き活きと快適に暮らすことのできる社会」が、めざす方向性である。2017年に刊行された国のほとんどの白書に、この言葉が躍る。
経団連も2017年2月に「Society 5.0実現による日本再興」※2という提言を公表。産業界全体で実現しようという大きなうねりが巻き起こっている。「人口減をものともしないスマートな社会」「都市と地方がつながり、あらゆる場所で快適に暮らせる社会」という考えは、シンプルで分かりやすい。
ビジョンを実現するには、「人材育成」政策が欠かせない。首相官邸が2017年6月に公表した「未来投資会議2017」※3にある「教育・人材力の抜本強化」の項目を、注視しておきたい。
日本で働く全ての人が「IT力」を「身につけ」「活用」し、付加価値の創造を絶え間なく行う。身につけた「IT力」に、どんな「かけ算」を加えられるか、「IT力×発想力」「IT力×財務力」といった「力」を有していけるかが、これからの「良い人材像」のカギになるだろう。
今後I T 分野では、「第4 次産業革命スキル習得講座認定制度(仮称)」の創設にも注目だ。各企業の「IT人材育成」を後押しする絶好の機会となるだろう。
さて、今回は「未来投資会議2017」の主要戦略5分野に関する書籍を紹介する。
①健康寿命の延伸
②移動革命の実現
③サプライチェーンの次世代化