J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2016年11月号

めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第44回 「スポーツ指導者の教え」から学ぶ人材育成術

ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。
本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた情報のプロが、最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。

菊池健司(きくち けんじ)氏 日本能率協会総合研究所 MDB事業部 第1情報サービス部 部長
日本最大級のビジネス&マーケティング情報提供機関であるマーケティング・データ・バンク(MDB)所属(URL: http://mdb.jmar.co.jp/)。人事・研修関連セクションでは社員選抜研修の一環でMDBを利用する傾向が増加中。顧客とのコミュニケーションにおいては豊富な知識が欠かせず、読書を通じてさまざまな分野の情報を貪欲に収集している。モットーは、「1日1冊」「週末精読」。E-mail:Kenji_Kikuchi@jmar.co.jp

2016年8月に開催されたブラジル・リオデジャネイロ五輪における日本勢の活躍は目覚ましいものがあった。金メダル12個を含む41個のメダル獲得は参加国中第6位。立派な成績だと思う。

感動と共に、「最近の10代はたくましいが、どんな子ども時代を過ごしてきたのか」「この選手は短期間でなぜこれほど成長できたのか」といった興味も生まれた。

21世紀以降生まれの世代は、21世代(ニイチ世代)と形容され、上昇志向が強く、個性を重視した生き方を好むといわれる。21世代が社会人になる頃には、人材育成にも、これまでとは違う工夫が必要となるだろう。今のうちに把握しておきたい将来トレンドの1つである。

さてリオ五輪を見た後、すぐに読みたくなったのが、シンクロナイズドスイミング日本代表チームコーチである井村雅代氏の著書である。メダル獲得を最大のミッションと位置づけ、厳しい指導を通じて見事に結果を出した。まさに勝利請負人のような、その指導に対する考え方に強い関心を覚えた。本当の「厳しさ」と「優しさ」を併せ持つ(と私は感じた)氏の指導法から、人事担当者が学ぶことは多いだろう。

井村コーチはもちろん、水泳の平井伯昌コーチ、テニスのマイケル・チャンコーチなど素晴らしいコーチの存在がどれほど重要か、競技を通じて垣間見ることができる。名高いスポーツ指導者のチームメンバー特性の見極め方や指導法、根幹の考え方は実に参考になる。

ぜひ目を通しておきたいスポーツ指導者関連書籍を分類してみよう。

①日本のスポーツ指導者による書籍

②海外のスポーツ指導者による書籍

③スポーツ指導者をよく知るジャーナリストによる書籍

①は、前述の井村氏、平井氏の書籍や、野村克也氏を筆頭としたプロ野球指導者、ラグビー指導者、高校野球の監督による書籍には学びが多い。

②で注目しておきたいのは、世界的に人気を集める海外のプロスポーツ指導者、例えばフットボール(サッカー)やMLB(米メジャーリーグ)、バスケットボールコーチの書籍だ。特に『元祖プロ・コーチが教える育てる技術』(ジョン・ウッデン他著/ディスカヴァー・トゥエンティワン)を推しておく。

③はジャーナリストの視点で監督やコーチの技術を分析している書籍が読みごたえがある。『プレッシャーなんてこわくない』(右ページ参照)はスポーツ選手等のメンタルコントロール術を解説している良書である。

人事担当者は今後、指導者の存在に注目しながらスポーツを見ていただきたい。必ずや人材育成・社内教育のよいヒントが得られるはずだ。スポーツ指導経歴を持つ方を招いての社内講演会などもお勧めである。

次号では、「人事担当者が知っておきたい人工知能」というテーマを取り上げる。乞うご期待。

1『“最強”の結果を生み出す「負けない心」の作り方』栄 和人著/KADOKAWA中経出版/2016年6月/1400円+税

日本レスリング協会強化本部長である栄氏による「指導者」のための教科書。指導法に関する考え方や試合(本番)で勝つことの意義等、ビジネスシーンで活かせる教えが満載である。

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