J.H.倶楽部

無断転載ならびに複製を禁じます。なお内容は取材・掲載当時の情報です。

月刊 人材教育 2015年02月号

社労士に聞く“職場あるある”管理職のもやもや解決 第23回 悪い報告をしてくれない社員

円滑な職場運営は管理職の重要任務の1つ。けれども、さまざまな人が集う職場では日々問題が起こります。中には、手を出しにくいデリケートな問題も。
かといって、放っておくと大事に発展することもあります。
どうすべきか、もやもやと悩んでしまう管理職も多いことでしょう。
ここでは、社労士のところによく持ち込まれる管理職の悩みをピックアップ。
人事にも把握しておいてほしい、解決方法を紹介していきます。

藤原 英理(ふじわら えり)氏
あおば社会保険労務士法人代表。東京大学大学院修了後、大手製薬会社で研究職に従事。93 ~97年米国在住。帰国後、2000年大手証券会社に入社。社会保険労務士、CFPの資格取得。03 年に独立、04 年から現職。
[文] = 柳本友幸 [イラスト] = 秋葉あきこ

今月のお悩み 悪い報告をしてくれない社員

報連相が滞る若手社員がいる。特に悪いことについては、報告しない傾向にある。先日、積もりに積もったミスを見かねて、取引先から、直接こちらにクレームがあった。知らないうちに事態が悪くなっていては、こちらも対処のしようがないため、悪い情報ほど早く報告するように、と言うのだが、あまり改善されない様子である。信用問題にもかかわるため、報告は怠らないようにしっかり改善してほしいのだが、どのように指導すればいいだろうか。

労働法上の位置づけ

まず一般論ですが、労働者が雇用契約上、負うものとして「会社に不当に損害を与えない」という忠実義務があります。将来会社に損害を与える可能性のある情報を、意図的に隠していたのであれば、忠実義務に違反していることになります。また、昨今では就業規則の中に報告義務を記載している企業も多く、その場合には明確な就業規則違反になります。

報告懈怠(かいたい:怠り・放置)が度重なるようであれば何かしらの処分も必要です。例えば始末書等の文書をまとめさせ、本人に「就業規則違反をしたという認識」をさせておいたほうがいいでしょう。

処分については、今の労働法では報告を怠ったことに対し譴責(けんせき)等の懲戒処分はできるものの、「悪い状態を隠していた」というだけで減給や解雇とすることは難しく、会社に明確な金銭的損害が出た場合にのみ減給や解雇等ができるとされています。

報告が来なくなる悪いパターン

このケースの場合、「報告しない部下が悪い」と考えているだけでは一向に解決しません。部下の報告が滞るパターンはいくつかあり、以下でその一部を見ていきますが、いずれにしても、上司から解決へのアクションを起こす必要があります。

●上司は非協力的だと思われている

そもそも、報告が滞る背景には、部下が問題や心配ごとを抱えていることが多いものです。しかし部下が、「上司は問題解決に協力的ではない」と思っていたとしたら、報告・相談する意欲は下がります。

例えば、悪い報告をしても、「それはお前の責任だから自分で解決しろ」と突き放されたら、部下は「この上司には報告しても仕方ない」という気持ちになります。

こちらはJ.H.倶楽部会員限定記事です。
ご入会後、続きをお読みいただけます。

残り:903文字

/

全文:1,805文字

【入会・年会費無料】

J.H.倶楽部は人事の仕事に役立つ特典が満載です!

  1. 総数2000本以上の人事の実務に役立つ記事(※)が閲覧可能
    ※専門誌『Learning Design』(旧『人材教育』)の記事
  2. 新サービス・お役立ち情報(調査報告書・ホワイトペーパーなど)の先行案内
  3. 会員限定セミナーへのご招待/講演動画・配布資料の閲覧
  4. 興味関心に沿った必読記事を、メールマガジンでお知らせ!