J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2013年04月号

ワンワード論語 第8回 「美」

今、あなたは自分の強みを発揮できていると思いますか?
また、周りの人の強みを引き出せていますか?
そもそも強みを把握しているでしょうか。
今回は人が持って生れた強み・資質を意味する「美」を学んでいきましょう。

青柳 浩明 氏
安岡活学塾常任講師、(財)岩崎育英文化財団勤務。幼少から40年論語を学びSE、PM、経営企画他、多くのビジネス現場で実践を積む。ビジネス論語の伝播活動として企業等で講演等を実施する。ビジネス論語スクール主宰。日本経営品質賞審査員他。
[文] = 青柳浩明 安岡活学塾 常任講師 [イラスト] = 秋葉あきこ

と聞いて何を連想するでしょうか。Beauty、見た目や表面上の美しさですね。その通りで、このワードは、孔子が生きていた時代の中国で、まるまるとした大きい羊が格好の良いものとされていたことから生まれました。そこから、人が持って生まれた、人それぞれの長所や持ち味という意味に発展しました。

● 美を成す

今月の論語1は、人の「美」の本質と、人の育成を端的に教える名言です。『論語』には“君子”と“小人”が対になり頻出しますので簡単に説明しておきましょう。“君子”とは、決して王様や偉い人のことではなく、こうなってほしい人物、めざしたい人物像のことです。一方の“小人”は、字の通り、心の小さい人。そんな心では失敗を招く言動の元になるから留意しなさいということです。“人の美を成す”とは、その人が持って生まれた資質や性格を最大限に伸ばして、その人に自信を持たせ、成立させ、成功に導くということです。もちろん、他人だけではなく、自分自身も含まれます。“人の惡を成さず”は、上司や教える側の都合で、目についたつど、欠点を指導することのないように、ということです。たとえば、慎重なタイプのメンバーに、もっと大胆になれ!と指導したり、人見知りで裏方のような地道な仕事が好きなメンバーに対して、もっとオープンになれ! と指導するようなことです。行き過ぎれば人格否定にもつながります。“惡” (悪の旧字)というワードは、悪人、善からぬことをする人を意味していたものではなく、本来は心の被害者のことです。“亞”は建築物の柱を挿入する礎石の凹みを表したもの。そこに“心”を合わせて、本人の持ち味を無視した強硬な指導などにより、心が凹んでいることを表しています。心がおかしくなると善からぬ言動をするようになり、そこから悪人などとして用いられるようになりました。儒教を学んだP.F.ドラッカーは、この教えに感化されたと思われる以下の言葉を残しています。“ 何事かを成し遂げられるのは、強みによってである。弱みによって何かを行うことはできない(”『明日を支配するもの』ダイヤモンド社/刊)

今月の論語1

君子は人の美を成し、人の悪を成さず。小人は是に反す。

【現代語訳】人の美点を伸ばし、人の悪い所は抑えてあげられる人物をめざしましょう。人の粗探しに夢中になるような、つまらない人物にならないように。

【ビジネス訳】

職場の人々のそれぞれの良さに着目して交流しましょう。欠点や弱みを追及したり、できないことを要求しても何も生み出しません。

“人の惡”を成しても、決して何も生み

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