第16回 コロナ禍におけるメンタルケア対策
気になるテーマを気になるあの人はどう考える? オピニオンリーダーたちの意見をご紹介します!
コロナ禍におけるメンタルケア対策
いまだ収束の兆しが見えないコロナ禍により、ビジネスパーソンは在宅勤務の継続を余儀なくされています。テレワークでは満たされない「承認欲求」、たまりがちな「ストレス」、注視が必要な「メンタル不調」などの問題に対し、企業・個人はいかに対策を講じるべきでしょうか。
01 求められるのは「傾聴・共感」してくれる存在
コロナ禍での働き方は、メンタルヘルスの観点から見ると「個」での「孤」といかにうまくつき合うかのように思える。孤とは、助けるものがなく、ひとりぼっちの状態。今までは同じ空気のなかで働く「集団」で個がある働き方であった。それが、自粛などで個での孤を求められ、心がついていかず、結果としてメンタル不調を引き起こしているのだ。
当協会では、様々な企業のオンラインカウンセリングを担当しているが、その多くが「孤独」からくる悩みである。1人でいるとマイナス思考となり、焦りや不安から「夜眠れない」「やる気が出ない」等、心のコントロールができなくなり、不調を訴えてくる。カウンセリングでは、気持ちを安定させるために傾聴を行い、最善の方法を一緒に考えるが、そこから笑顔が戻ってくる。
現状のメンタルヘルス対策で重要なのは、「心の触れ合いをいかにつくれるか」ではないか。そのためには上司が部下のカウンセラーになってあげること。話に耳を傾け、共感するだけでいい。求められているのは今の気持ちを受け止めてくれる存在なのだ。
奥江裕理氏