J.H.倶楽部

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Learning Design 2021年01月刊

ワーク&ラーニングスペース最前線 第15回 『オリコ研修センター(Orico Training Center)』(東京都・文京区)

どのような空間ならば、「学び」は促進されるのか。
企業のオフィスや研修施設をめぐり、学びを促進する工夫を解説する。

取材・文=田中 健一朗 写真=山下裕之・オリエントコーポレーション提供

東京・文京区、目白台運動公園の目の前に位置し、あたたかいオレンジ色の看板が目を引く建物こそが、オリエントコーポレーションの研修施設「オリコ研修センター」だ。

現代の価値観と研修ニーズにマッチする新たな施設へと生まれ変わらせるべく、建築家の宮下信顕氏と協働し2018年からリニューアルに向けたプロジェクトがスタート。2020年11月に晴れて完成に至った。

機能・デザインの両面からのドラスティックな改革

地下1階、地上4階建ての宿泊機能を擁する旧研修センターは、設計・建築から30年以上が経過し、同社固有の研修プログラムやその受講者に必ずしもフィットするものではなくなっていた。

「とりわけ間仕切りのない相部屋の宿泊スペースは、プライバシー確保の観点からも第一優先の改善点でした」(人事部・人材開発チーム課長代理 相川裕太氏)

そこで、宿泊スペースの刷新に加え、2つの側面からフルリノベーションを行うこととなった。

まず、「機能的側面」から、講師による一方通行の講義の場だけでなく、個人ワークやグループワークなど、多様な研修を活性化させる空間づくりが意図された。また、ニューノーマル時代の働き方の変化を鑑み、研修用途以外にもサテライトオフィスとしてのダブルユースも可能とした。

もう1つは、「デザイン的な側面」からの改革だ。コーポレートカラーである「オリコオレンジ」、「クレジットカード」をモチーフにしたデザインをビジュアルアイデンティティ(VI)として散りばめ、コーポレートアイデンティティ(CI)を内装デザインで表現し、受講者の意欲やエンゲージメント向上を狙った。

「集中力向上」「想像力を刺激」研修効果を高める内装

研修施設としての機能は、1~2Fに集約されている。1Fのメインスペースはフロントを抜けてすぐの「多目的スペース」だ。受講者同士のコミュニケーションスペースとして、現在はワークスペースとしても社員に開放されている。

2Fには「トレーニングルーム」「ワークルーム」「クリエイトルーム」などがある。「トレーニングルーム」は、今回のリニューアルのなかでも特に“大手術”を行ったスペースの1つだ。

「研修施設の立地にかかわる建築規制により、かつての大研修室は正面の芯がずれ、片側だけが斜めの天井になっているなど、空間に大きな“ねじれ”が生じていました。このねじれがあることで、脳に対してストレスが生じやすく、長時間の研修には適さない環境でした。そこで、天井を貼りなおし、シンメトリーにすることで安心感が得られる空間へと変化させました」(建築家 宮下信顕氏)

また、採用した特殊な照明器具は、中央の白色から外側に向けて暖色のグラデーションになることで、光に包まれているような感覚が生じ、研修受講者の集中力が高まるしくみとなっている。

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