J.H.倶楽部

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Learning Design 2020年01月刊

ワーク&ラーニングスペース最前線 第10回 総合トレーニングセンター「ANA Blue Base」 (東京都・大田区)

どのような空間ならば、「学び」は促進されるのか。
オフィス学を研究する東京大学大学院経済学研究科准教授の稲水伸行氏が
企業の研修施設をめぐり、学びを促進させる工夫を解説する。

東京大学大学院経済学研究科 准教授
稲水伸行氏
1980年広島県生まれ。2003年東京大学経済学部卒業。
東京大学ものづくり経営研究センター特任研究員・特任助教、筑波大学ビジネスサイエンス系准教授を経て現職。
経営パフォーマンスを高めるオフィスについて研究を行う。

[写真]=山下裕之

約4万人のグループ社員に新しい価値を提供する

ANAグループの総合トレーニングセンター「ANA Blue Base」は、羽田空港国際線ターミナル駅の2つ手前、京急空港線・穴守稲荷駅に立地する。これまでは空港周辺に点在していた教育、訓練、研修機能を集約する形で2019年4月に運用を開始したばかりの新しい訓練・教育施設だ。

「昭和50年代から使用していたパイロットや客室乗務員、整備士の訓練施設の老朽化が進み、手狭になったこともあり、新設に向けたプロジェクトが4年前にスタートしました。研修施設や他の専門職の訓練施設も集約することで、『ANAグループの人財育成拠点』と位置づけ、約4万人のグループ社員のために新しい価値を提供できる場にしようという想いを込めています」(ANA Blue Base業務推進室 業務推進部 業務推進チームマネジャーの足立優氏)

8層7階建ての建物には、訓練施設を含め約250の教室・研修室がある。約600名のスタッフや教官が常駐し、同時に4,000名が施設を利用することが可能だ。

「部門間の連携強化が課題だったので、ANA Blue Base ではクロスコミュニケーションの活性化につながる空間づくりを行いました。また、ANAブランドの定着につながる工夫もしています」(足立氏)

さっそく、紹介していこう。

デザイン思考につながる4つのイノベーティブな空間

特徴的なのが、デザイン思考の実践を意識した空間だ。「着想」「討議」「試作」「発表」を行うための4つの部屋が用意されている(P68参照)。

着想につながる「インスピレーションルーム」には、発想を刺激するデザイン性の高い備品が備えられている。部屋の手前に置かれた卓球台は、

「球を打つ度に交互にアイデアを出し合うなど、アイデアのキャッチボールに使っている人も多い」(足立氏)という。

討議を行う「アイデアルーム」では、六角形のテーブルと暖色系の椅子を自由にレイアウトできる。自在に動かせる小型のホワイトボードも使い勝手がよい。

「クリエーションルーム」は使いたい人がいつでも使えるように予約を受け付けない。作業しやすい長テーブルや3Dプリンターを備えていることも特徴だ。

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