J.H.倶楽部

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Learning Design 2020年11月刊

おわりに 良質なアウトプットがもたらす、 個人と組織にとっての価値

Image by jessie/PIXTA

「アウトプット」がもたらす成果とは

「アウトプット」と聞き、何をイメージするだろうか。企画書や提案書、またはプレゼン内容など、物質的なものやテクニックが連想されるかもしれない。『学びを結果に変えるアウトプット大全』(サンクチュアリ出版)の著者である樺沢紫苑氏によると、アウトプットとは「現実世界を変えるものであるという。

本特集の取材により、良質なアウトプットは業績的な成果だけではなく、個人と組織を変化させ、様々な恩恵をもたらすことがわかった。アウトプット力を高める重要性やその取り組みを以下に振り返ってみよう。

自分の「仕事の本質」を考え抜く

「書く」「話す」「つくる」といったアウトプットにおける技術を高めるためには、ただやみくもに実践を重ねればいいというわけではない。テクニックを覚えるより前に、出力するための土台である「情報」の扱い方と扱ううえでの視点が重要だ。

●1次情報を取りに行く

自分のもつ情報を整理することで、まずは「情報不足」であることに気づく重要性を説くのは、OPINION4の浅田すぐる氏だ。アイデアを紙に書き出す過程で「情報の断片であるキーワードと自分の考えがいっしょくたになっていないか」を確認し、整理してみよう。

不足していることがわかったら、次は情報の取得である。OPINION2の前田鎌利氏は、「ネットの検索情報ではなく、1次情報を確認していく姿勢が大事である」と強調する。前田氏はソフトバンク時代、売り上げが低迷していた店舗に足を運んだことで、データからは見えない事実を確認し改善につなげることができた。

1次情報を取りに行く姿勢をもつことは、不確実な情報に惑わされない目を養い、それにより周囲からの信頼を勝ち得ていくのだという。

「情報」というとデジタルなイメージを浮かべがちだが、紙に書き出すことや、現地に直接足を運ぶことなど、「情報」の取り扱いにこそアナログの重要性が感じられるのも興味深い点だ。

●「当事者意識」をもち、「 目的」に立ち返る

ただ情報を取ればいいわけではない。扱ううえでの視点もアウトプットの質に大きく影響する。

CASE2のオイシックス・ラ・大地では、消費者や生産者の声を全社員が聞く機会を設けている。そこには「当事者意識を醸成させる」という狙いがあった。同社人材企画室もまた、内定辞退者や退職が決まった社員にインタビューを行い、1次情報とあわせることでアクションを決定している。

こうしたプロセスを踏みながら、自らの仕事の意義を考えていくことが、アウトプットのスタート地点なのではないだろうか。

OPINION3の村山昇氏も「自分の仕事をどれだけ深いところでとらえているか、そこにどんな意味や使命を見いだしているかという仕事観」がアウトプットに深みを与えるという。これは、浅田すぐる氏の説く「自分の仕事を『考え抜く』こと」にも共通している。

「仕事の本質」を考えることは、自分の働き方、ひいては生き方を再考することにもつながるだろう。良質なアウトプットを生み出すための個人の研鑽は、同時に自己認識を高める機会にもなっているといえる。

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