J.H.倶楽部

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Learning Design 2019年11月刊

特集│CASE6│サトーホールディングス 独自文化「三行提報」を育成につなげる取り組みも “現場力”を発揮できる 人財育成のため データを一元化し人財を可視化

中期経営計画に基づく人財戦略ロードマップで「タレントマネジメント」に注力することを明文化したサトーホールディングス。
人事データベースの一元化とその活用、さらにその先を見据えた取り組みについて聞いた。

江上茂樹氏 サトーホールディングス 執行役員 最高人財責任者(CHRO)
森 麻子氏 サトーホールディングス 人財開発部 人事企画グループ グループ長

サトーホールディングス株式会社
1940年創業。バーコード・2次元コードやICタグ、音声・画像認識等による自動認識技術を活用した自動認識ソリューション事業を展開。
ラベルやラベルプリンター、ソフトウェア等の開発・製造、販売、保守サービスを行う各社を傘下に有する。
資本金:84億円(2019年3月31日現在)
連結売上高:1,162億円(2019年3月期)
連結従業員数:5,307名(2019年3月31日現在)

[取材・文]=瀧川美里

データベースの統一で効率化を目指す

サトーホールディングスでは、タレントマネジメントを「人事データを一元化し、人財を可視化すること」と位置づけ、クラウド型人事データベースを導入している。その経緯について、執行役員最高人財責任者(CHRO)の江上茂樹氏は次のように説明する。

「当社のコアコンピタンスは『現場力』です。現場力を発揮でき、またそのベースとなる企業理念を体現する人財を育成して、会社の持続的な成長に結びつけていくことが、人事部門の存在意義でもあります。そのためにはまず、社内にどんな人財がいるのかを把握できるデータベースを整備しなければならないと考えました」

ところが、当時の同社の人事データベースには技術面の課題があった。人事管理や評価、給与計算等のデータベースが個別に存在していたため、情報が必要なときは複数のデータベースから集めなければならず、異動など人事情報に変更があったときは各データベースに手作業で反映しなければならない。そうした人事部門内のオペレーションを改善するという目的もあり、データベースの統一に着手した。

見るだけでなく「使う」アクションを組み込む

検討を始めた当初は大手企業で導入されている有名なタレントマネジメントシステムを導入しようと考えたが、2つの理由で断念した。

「1つは、はじめてタレントマネジメントに取り組む当社では、機能が立派すぎて使いこなせないのではないかという懸念があったこと。もう1つは、当時の経営陣を納得させられるようなコスト感ではなかったため、費用対効果に疑問があったことです」(江上氏)

システムの検討を進めていた2016年半ばごろ、「カオナビ」というサービスに出会う。機能の拡張等の自由度が高いことや、コストが手ごろだったことなどから導入を決めた(次ページ画像1)。

まずは点在していた既存データの集約から着手した。データベースの一元化には約半年間を費やし、社員への説明会等を行ったうえで、2018年4月にリリースした。

基本情報は人事データを流用するが、社員本人にプロフィールや経歴をアップデートしてもらい、取得した資格や研修の受講履歴なども各自で入力する。マネジャーは自部門のメンバーのデータを、また、役員は全社員のデータを閲覧することが可能だ。加えて評価もこのシステムに一元化した。

「社員、特にマネジメント層に活用してもらうためには、データベースを用意するだけではなく、職場で使うアクションを加える必要があると考えました。その施策の1つとして、評価システムも統合し、『目標設定→中間レビュー→評価』という流れをすべてカオナビ上で行えるようにしました」(江上氏)

その他にも、社員がこれまでの経歴や異動の希望などを入力して人事に提出する「自己申告」や、「多面観察」と呼ばれる360度観察など、同社の人事施策を次々一元化した。

クラウド化で評価者の働きやすさを改善

取り組みの効果も表れている。

「一部の役員は社員の異動・配置を検討する際、カオナビにある過去の評価や異動履歴などのデータを参考にしているようです。『同じ部門に長期間在籍している人がいたらアラートが鳴る機能がほしい』といったリクエストをもらうこともありますね」(人財開発部人事企画グループグループ長の森麻子氏)

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