J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2017年02月号

CASE 3 日立ソリューションズ 働きやすい環境整備を推進! 意欲の向上と人財の交流を促し、 組織と個人の能力を最大限に発揮させる

社員のモチベーションや組織内のコミュニケーションも、組織と個人のパフォーマンスに良い影響を及ぼす要素のひとつである。
「全ての施策の根幹はコミュニケーション」と捉え、モチベーションの向上やコミュニケーション活性化に全社を挙げて取り組んでいるのが、日立ソリューションズだ。
2016年9月に開始したワークスタイル変革運動により、その実現をめざす。


笠松哲也氏 オフィスマネージメントソリューション本部 HR ソリューション部 部長
盛井恒男氏 オフィスマネージメントソリューション本部 オフィスデータビジネス部 部長
中田駿介氏 人事総務本部 労政部労政グループ 主任

日立ソリューションズ
1970 年設立。日立グループの情報・通信システム事業の中核を担うIT企業。2010年10月に日立ソフトウェアエンジニアリングと日立システムアンドサービスが合併して発足、2015年4月の事業分割で現在の組織となった。最先端のITをベースとしたセキュリティー、クラウド・コンピューティング、ビッグデータなど豊富なソリューションを全体最適の視点で組み合わせた「ハイブリッド インテグレーション」を進めている。
資本金:200億円、従業員数:単体5482名、連結1万1538 名(2016年3月31日現在)

[取材・文]=崎原 誠 [写真]=編集部

●取り組みの狙い 能力を最大限に発揮させる

日立ソリューションズは、2015年4月に事業分割を実施。約1万人いた従業員の半数が日立製作所に移り、残りの半数が新生日立ソリューションズに残った。日立グループ外の売上比率の増加を受け、一層の生産性・経営効率の向上が求められており、社員が将来への不安を払しょくすると共に、モチベーション高く働き、持てる能力を最大限に発揮できる環境の整備が求められていた。

そうした状況を受け、2016 年9月からスタートしたのが、ワークスタイル変革運動「カエルキャンペーンmotto!」である(写真)。従来の施策をパワーアップし、キャンペーンとして強く打ち出すことで社員に周知・徹底し、より組織のパフォーマンスを高めることが狙いだ。

「一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境を提供することが、人事部門のミッションであり、トップの考えでもあります。そこで重要なのが、社員のモチベーションやコミュニケーションだと考え、キャンペーンは『1 もっと柔軟な働き方』『2 もっと早くカエル』『3 もっとコミュニケーション』の3つをスローガンに、働き方・意識・行動の変革を促しています」(人事総務本部労政部労政グループ主任 中田駿介氏)

社内イントラネットのポータルサイト、ポスター、チラシ、デジタルサイネージ(電子看板)などを用いて、積極的なプロモーションも行い、全社運動として展開している。具体的な取り組み内容を見ていこう。

●取り組み内容 やる気を高める多彩な施策

1 もっと柔軟な働き方

■テレワークの推進

このキャンペーンの一環として、「タイム&ロケーションフリーワーク」と題し、2016 年9月以降、全部門の課長以上と裁量労働適用者約3000人を対象にテレワークのトライアルを実施している。この結果を受けて適切なマネジメント方法を検討し、2017年4月の本格導入をめざしている。

「小さいお子さんを抱えていると、ちょっとした用事でも、半日休まなければなりませんが、この制度により、トライアル開始から3カ月で、8人の育児短時間勤務者がフルタイム勤務への変更を含む実働時間の延長に至りました。単身赴任が解消できた人も2人おり、時差のある海外拠点との打ち合わせにも活用されています。サテライトオフィス提供サービスも利用し、営業活動中の隙間時間も有効活用できるようにしました」(中田氏)

2 もっと早くカエル

■朝型勤務へシフト

労働時間短縮の取り組みとしては、従来の定時退勤を促す施策に加え、朝型勤務へのシフトを推奨している。時間を決めて本社食堂で朝食の無料提供を行うと共に、食堂のない事業所でも、朝食購入費用の補助を始めた。

定時退勤日の巡視など地道な活動も行った結果、平均残業時間が減少。業務効率化、健康増進、モチベーション向上、自己研鑽の促進などの効果が出ている。

3 もっとコミュニケーション

■褒め合い、認め合うポイント制度

さらに力を入れているのが、同社が全ての施策の根幹だと捉える「コミュニケーション活性化」のための取り組みである。

まず、「SOLmate」と呼ばれる社内ポイント制度。こちらは、社員が互いに褒め合い、認め合う文化を醸成するためのものだ。日頃、目立ちにくい役割を担っている社員など、「一人ひとりのNo.1」を見つけて認めることで、モチベーションの向上を促し、その積み重ねによって組織を活性化させていく考えだ。

社内の電子電話帳で、相手の名前を検索し、「ポイントを送る」というボタンを押す。すると、付与理由リストが出てくるので、「部門間連携」「技術力」「働き方」「ロールモデル」といった項目から選択し、コメントをつけて送信ボタンを押す。1送付1ポイントで無制限に送ることができ、送られた人には自動的にメールで通知が届く仕組みだ。

活用を促進するため、期間限定でポイント3倍キャンペーンをしたり、ポイントをたくさん送った人・たくさんもらった人をスポーツフェスティバル(社内運動会)で表彰するという取り組みも行っている。社内報やイントラネットにも掲載する予定だ。

2016 年9月の送受ポイント数は、合計4000ポイント。送る人は管理職層、受け取る人は主任以下が多い。役職の垣根を越えて認め合うことで、風通しの良さが生まれている。

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