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Learning Design 2019年05月刊

気づきのエンタ ART 日本美術家列伝〜江戸時代篇 写実の基礎に奇抜な画風が加わり飛躍、奇想の絵師・長沢蘆雪(ろせつ)

人材開発担当者にご紹介したいエンタメ情報です。
仕事の合間の息抜きにぜひ!

矢島 新(やじま あらた)氏

跡見学園女子大学教授。東京大学大学院博士課程中途退学。
渋谷区立松涛美術館学芸員を経て現職。
専門は近世を中心とする日本宗教美術史。
著書に『日本の素朴絵』(ピエ・ブックス)、『マンガでわかる「日本絵画」の見かた』(誠文堂新光社)など。

この連載ではこれまで、18世紀後半の京都で活躍した絵師たちを紹介してきたが、若冲にしても蕭白にしても、それぞれ飛び切りの個性派である。彼らが競い合った当時の京都画壇は絵画の黄金時代であったと思う。今回取り上げる長沢蘆雪は少し下の世代だが、大胆でユニークな画面構成という点では、先輩たちに一歩も引かない強者である。

まずは図版をご覧いただこう。六曲一双の大きな屏風の左隻に黒牛、右隻に白象が画面をはみ出すほど大きく描かれている。白象の背中に黒い烏、黒牛の腹の前に白い子犬を添えており、白と黒、大と小の対比を際立たせた大胆な構図である。ほぼ同じ図様の屏風が他に2セット知られており、この屏風が注文相次ぐ人気商品だったことがわかる。リアリズムの確かな技術もさることながら、発想の見事さが人気の理由であったに違いない。

蘆雪は、当時京都で一番の人気絵師である円山応挙の弟子であった。入門は比較的遅かったようだがすぐに頭角を現し、一番の弟子とよばれるほどになった。師の応挙の絵は個性派ぞろいの当時としてはいたってまじめな画風であったが、それが京都の人々にうけて売れっ子になり、多くの弟子を抱えるに至った。蘆雪のリアリズムの腕前は弟子たちのなかでも抜群で、初めは師の作品と見紛うような精緻な孔雀図などを描いていた。

奇抜な趣向で才能が開花

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