めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第44回 「スポーツ指導者の教え」から学ぶ人材育成術
ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。
本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた情報のプロが、最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。
2016年8月に開催されたブラジル・リオデジャネイロ五輪における日本勢の活躍は目覚ましいものがあった。金メダル12個を含む41個のメダル獲得は参加国中第6位。立派な成績だと思う。
感動と共に、「最近の10代はたくましいが、どんな子ども時代を過ごしてきたのか」「この選手は短期間でなぜこれほど成長できたのか」といった興味も生まれた。
21世紀以降生まれの世代は、21世代(ニイチ世代)と形容され、上昇志向が強く、個性を重視した生き方を好むといわれる。21世代が社会人になる頃には、人材育成にも、これまでとは違う工夫が必要となるだろう。今のうちに把握しておきたい将来トレンドの1つである。
さてリオ五輪を見た後、すぐに読みたくなったのが、シンクロナイズドスイミング日本代表チームコーチである井村雅代氏の著書である。メダル獲得を最大のミッションと位置づけ、厳しい指導を通じて見事に結果を出した。まさに勝利請負人のような、その指導に対する考え方に強い関心を覚えた。本当の「厳しさ」と「優しさ」を併せ持つ(と私は感じた)氏の指導法から、人事担当者が学ぶことは多いだろう。
井村コーチはもちろん、水泳の平井伯昌コーチ、テニスのマイケル・チャンコーチなど素晴らしいコーチの存在がどれほど重要か、競技を通じて垣間見ることができる。名高いスポーツ指導者のチームメンバー特性の見極め方や指導法、根幹の考え方は実に参考になる。
ぜひ目を通しておきたいスポーツ指導者関連書籍を分類してみよう。
①日本のスポーツ指導者による書籍
②海外のスポーツ指導者による書籍
③スポーツ指導者をよく知るジャーナリストによる書籍