人材教育 The Movie ~映画でわかる世界と人~ 第41回 「罪の手ざわり」川西玲子氏 時事・映画評論家
「罪の手ざわり」
2013年 中国 監督:ジャ・ジャンクー
韓国と並び、中国も、日本人にとっては付き合うのが難しい国だ。欧米人から見ると似ているかもしれないが、共通点と相違点の両面あるところが、東アジア文化の複雑さである。特に中国はあまりにも巨大で多様なため、日本人には把握しにくい。
中国に関する情報は新聞やテレビ、雑誌、ネットを通じて巷に溢れている。だが、生活に密着した情報は少ない。中国を訪れたことのある日本人は多くいるが、ほとんどがビジネス絡みで、素顔の中国を知るのは難しいだろう。先方も素顔をなかなか見せないお国柄なのかもしれない。
改革開放以降、中国は陳凱歌(チェン・カイコー)監督の『黄色い大地』(1984年)と張芸謀(チャン・イーモウ)監督の『紅いコーリャン』(1987年)という、2つの名作を世界に送り出した。