人事の職場拝見! 第54回 ワタキューセイモア 専門施設と全寮制、徹底した育成メニュー 礼を教え、あり方を問う1年間の新人研修
ワタキューグループは、医療施設や介護施設に対して、リネンサプライや給食の提供を始め、あらゆる業務をサポートしている。人材育成を大切にすることで成長を続ける同グループの秘密の1つは、丸1年もの時間をかけて徹底する新人研修にある。
1年間の研修プログラム
2011年4月より、ワタキューグループでは新入社員に対する研修制度を重視し、抜本的に改革した。本部ビル内に専用の研修施設「一心館」を新設し、研修期間に丸1年をかける。この新しい研修制度の構築を行ったメンバーの1人が、総務人事本部 人事部 採用・教育課 課長の佐々木康氏だ。
「辞令を受けた時は、正直なところ戸惑いました。入社以来、教育や育成の経験はありませんでしたから」
その後、中堅社員や外部コンサルタントからなる、「一心館プロジェクトチーム」を結成。研修プログラムを半年間かけて構築していった。
研修のコンセプトは、ワタキューグループ基本方針の「感謝の気持ち」と「謙虚な姿勢」を中核に置きながら、「社会への順応、仕事への順応、21世紀への順応」とした。具体的には、お辞儀の仕方や身なりの整え方などのビジネスマナーの徹底や、現場での実務研修を盛り込み、社会人、そして同グループの社員としての礎を築く。また21世紀への順応策として、グローバル時代の到来を踏まえ、英語のレッスンを取り入れた。
「初年度はとにかく試行錯誤の連続でした。研修生たちは、本当に一生懸命についてきてくれましたね」