めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第26回 知っておきたいビジネスコミックの魅力
ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた、情報のプロが最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。
今回取り上げるのは、最近書店のビジネス書コーナーでも目立つ存在、ビジネスコミック」である。
ビジネスコミックとは、ビジネス書の内容をマンガ(コミック)を通じて学べる書籍を指す。ここ数年の傾向として、かつてのベストセラー書籍の「ビジネスコミック化現象」が挙げられる。
筆頭格は、スティーブン・R・コヴィー著7つの習慣』 (キングベアー出版、1990年初版)。ビジネスパーソンの必読書の1冊に数えられ、自己啓発ジャンルの王道本として広く知られている。その名著が『まんがでわかる 7つの習慣』 (宝島社)として、2013年10月に発刊された。その後シリーズ展開され、さまざまな名著がマンガになっている。今年に入ってからも、ビジネス書ランキングの上位に同シリーズがランクイン。その勢いはとどまるところを知らない。
ビジネスコミックの刊行が劇的に増加している理由は、これだけではない。やはりメンタルブロック(思い込みによる意識の壁)が外されたことが大きい。分厚い書籍を見て、尻込みしていた人が、マンガになったことで一気に飛びついた。しかも実際に読んでみたらわかりやすくてためになるし面白い!という気づきを得た。ビジネスコミックは読者層の裾野を広げることに大きく貢献している。
では、ビジネスコミックの傾向を整理しておこう。著者の観点では概ね、以下の4パターンに分けられる。
①名著、名作のマンガ化
②名人の教えのマンガ化
③ビジネススキルのマンガによる解説
④ 一般のコミックのビジネス利用