OPINION 1 仕事は「やりたいこと」の道具 一人ひとりの働きがいの源泉を探り個別に応える時代
働きがいの源泉は“ワーク” だけにあるのではない。
家庭や趣味など仕事以外の領域まで広げて、“ライフ”の視点から働きがいを考えることが重要だ。
一人ひとりで異なる働きがいを個別にサポートすることが、仕事に対する意欲や会社への帰属意識を高めることにつながるはずだ。
働きがいは「仕事の外」にもある
働きがいは「仕事の外」にもあるチャレンジングな仕事に働きがいを感じる人はいるだろうが、一方で「仕事は定時で終えて、家に帰って子どもと遊びたい」「週末はサーフィンをして過ごしたい」「社会貢献活動をしたい」など、仕事以外のことをより大切にする人たちが確実に増えてきている。
また、ビジネスを取り巻く環境が厳しくなり、以前に比べて、面白い仕事やチャレンジングな仕事が提供されにくくなっているのも現実だ。したがって、これからは従来のように仕事を中心とした働きがいだけではなく、「本人がやりたいこと」や「大切にしていること」を、仕事を通じてどう実現できるかを模索する必要がある。手段や道具としての働きがいを考えるべき時代なのだ。
働きがいは今や十人十色。企業は社員一人ひとりの働きがいを探り、マネジメントすることが求められる。例えば、その人の大切にしていることが週末のバードウォッチングであれば、金曜日までに仕事をきちんと終えられるよう、仕事の段取りを組んでもらう。会社もそれをサポートする、といったこ
働きがいは従来、「面白い仕事」「達成感のある仕事」「チャレンジングな仕事」「成長できる仕事」など、あくまでも仕事を通じて得られるものとして捉えられてきた。しかし、働くことに対する価値観が多様化する中で、働きがいそのものも多様化しており、従来のように仕事を通じた働きがいを提供するだけでは十分とは言えなくなってきている。
もちろん、これからも面白い仕事やとである。
こうした対応を行ううえで最も重要なのは、現場の上司だ。上司が本人の働きがいを理解し、実現できるよう、支援することが求められる。
「ライフ」に罪悪感を持つ日本人
従業員の働きがいに個別に対応する際、重要になるのが「ワークライフバランス」だ。