CASE.2 マース ジャパン リミテッド 人や会社をイノベーティブにする人事の挑戦 イノベーションは自分から:「まずやってみよう」で会社が変わる
会社を楽しくする”ことを専門にしている人事担当者がいる――
これこそイノベーションだと思い、会いに行ったのが、
マース ジャパン リミテッドの人事部でインターナルコミュニケーションを担当する榮夕香さんだ。
インターナルコミュニケーションとは、一体どんな仕事なのか。
そして、“楽しい”ことが、専任の担当者を置くほど、なぜ重要なのか? それを探ろうと、
榮さんの1日を密着取材。そこには人事の常識を覆す全く新しい人事の姿があった。
パーティのような社員集会
ペットケア事業やスナックフード事業、オフィス向けに飲料を提供するドリンク事業を展開しているマース ジャパン リミテッド。東京目黒区の高層ビルの1フロアで約150名が働いている。そのオフィスはかなりユニークだ(図表1)。壁のない広々としたオープンオフィス。デスクのパーティションも低く、オフィスの隅から隅まで見渡すことができる。ペット同伴で出社することができるため、社内には犬や猫の姿も見える。さらに驚くのは、円形に並んだ社長や役員の席、“センターサークル”が、誰もが行き来するフロア中央に、オープンに配置されていることだ。
榮さんは「全員が同じフロアで働くことや、パーティションの高さなど、マースとしてグローバルでの決まりはいくつかありますが、それ以外は、全てそれぞれの国に任されています」と話す。オフィス内にカフェエリアを設置したのも榮さんのアイディア。
「どうしたらコミュニケーションが増えるか、どうしたら楽しく感じてもらえるか、暇さえあれば、オフィス内をきょろきょろ眺めたり、歩き回っていろんな人と話したりしています」
榮さんの手にかかれば、コミュニケーション促進の機会は、さまざまなところに見出せる。たとえば、年末のコミュニケーション・セッション(社員集会)では、事業報告と社長訓話が中心だが、クリスマスソングを流し、マフィンやケーキを並べ、ミニワークショップを催すなど会を盛り上げる(P43)。