Column 1 グリーのCSR活動に見る ゲーム×学び
ゲームの要素や仕組みをさまざまな分野に活かす「ゲーミフィケーション」は、教育の世界でも注目されている。教育にゲーミフィケーションを活かすとはどういうことなのか。モバイルゲーム事業を展開するグリーが行う「ゲーム×学び」をテーマとした活動から見てみよう。
時を忘れてゲームに没頭した経験を持つ人は多いだろう。こうしたゲームが持つ楽しさや熱中させる要素を他の分野に応用することを「ゲーミフィケーション」と言う。グリーでは2013年から、ゲーミフィケーションを教育に活かす活動を展開している。現在までの活動の対象は子どもと学生だが、ゲームと学びをどのようにかけ合わせられるのかがわかる2つの取り組みを紹介しよう。
ネットのルールをゲームで学ぶ
2013年3月、子ども向けのワークショップを集めた博覧会に、グリーは「みんなで学ぼう! 遊ぼう! インターネット」と題したブースを出展した。目的は、子どもたちに安心、安全にインターネットを使うためのルールを学んでもらうこと。そのために、タブレット端末を使い、ゲーム感覚でクイズに答えながらルールを学べるアプリを開発した。ブースには2日間で約1400人の子どもたちが訪れ、タブレット端末を動かして楽しみながらクイズに答えていた。
このようなワークショップを行った理由について、グリー広報室長の島田敏宏氏は次のように話す。
「当社では以前から、インターネットリテラシーの啓発・普及のための講演活動を行ってきました。今や小学生もスマホを持つ時代ですから、子どもたちにもインターネットとの付き合い方を知ってほしい。しかし、子どもたちにただ講演を行っても、なかなか理解してもらえません。そこで、子どもたちが自発的に学べるツールとして、タブレット端末を使ったゲームを活用したらどうかと考えたのです。