CASE 2 クアルコム 学習者も企業もうれしい 企業独自のアプリストアで効率的な学習環境を提供
スマートフォンユーザーなら、自身の端末にApp Store(アプリストア)からたくさんのアプリをダウンロードし、入れていることだろう。そのApp Storeと一部のアプリをまるごと、オリジナルに開発し、モバイルラーニングのために社員に提供している会社がある。なぜそのような取り組みを行い、どんなコンテンツを用意しているのだろうか。
● 取り組み自社専用App Store
ワイヤレス通信機器関連事業を行うクアルコム(本社:米国カリフォルニア州)では、2013年から自社の全世界の3万人を超える社員専用に、独自のAppStore(アプリのダウンロードサイト)を構築。モバイル端末などからアクセスして、好きなアプリをダウンロード可能にし、社員の学習の効率化を図っている。
● 背景「ゲリララーナー」支援の形
なぜこうした形で独自の取り組みを始めたのか。モバイルラーニング(以下mラーニング)を統括するジェフ・ステッド(Geoff Stead)氏は、こうした“オープンでセルフサービス”な環境整備が今の学習者には必要だと語る。
というのもエンジニア、イノベーターが多い同社では昨今、自分に必要な情報や知識を自ら積極的に探してどんどん使う人材が増えているからだ。
「私はこうした人を『ゲリララーナー(guerrilla learners)』と呼んでいますが、従来の教育のプラットフォームでは構造がガチガチすぎて、彼らのニーズに合うものを提供しきれません。また彼らの学習をコントロールすることもできません」──自ら学ぶのは望ましいことだが、個人や重要知財情報の流出等々、リスクも出てきかねない。
そこで、学習者も素早くほしいコンテンツにたどり着くことができ、会社側も学習管理ができる新しい仕組みを提供すべきだと考えたのだ。