知識と人間力を兼ね備えた “自律した人材”を育成する
トレンドマイクロでは、知識・技術と人間力を兼ね備えた人材の育成に力を入れている。なぜな
ら同社では、学習する組織になることをめざしているからだ。社員一人ひとりが自律し、役職を
問わずリーダーシップを発揮できる組織が理想の姿だという。社員の自律性を高めるために力を
注ぐ同社の人事部を訪ねた。
速い変化に対応できる自律した人材が必要
「ウイルスバスター」をはじめとした、パソコン・インターネットのセキュリティ関連製品・サービスを提供するトレンドマイクロ。現在は、世界33カ国に拠点を構える。
同社が人づくりにおいて力を入れているのが、知識と人間力を兼ね備えた自律した人材を育成するということ。その理由を、トレンドマイクロ人事総務本部人事部部長代行の成田均氏は次のように話す。「今や、インターネットは、水道、電気、ガスなどのライフラインに加わるほど重要なものになりました。それに伴い、インターネットセキュリティを担う当社の社会的責任も高まっています。社会性のある業務を遂行し、顧客ニーズに素早く応えるためには、トップダウンではなく自らを律して行動できる人材が不可欠です」(成田部長代行、以下同)
変化の速いIT業界を生き抜くために、同社では高い技術と人間力を兼ね備えた人材へと成長するための場を多数用意している。
知識・技術と人間力を兼ね備えた人材をめざして
同社が知識・技術の向上をめざし、設置しているのがe-Campusというポータルサイトだ。e-Campusは、社内外の研修、e-ラーニング、通信教育などを集めたもの。社員は、約450種ものメニューの中から自分が身につけたい、強化したいと思うものを自由に選び、学ぶことができる。「e-Campusでは、ビジネスマナー、英語、SE向けの専門知識、交渉術など、あらゆるジャンルを網羅。一人当たりe-Campusに使うことができるポイントが決められています。若手ほど多くのポイントが与えられ、最も多い層で13万円相当の履修が可能です。これは、自己投資が難しい若手の学びを支援したいというトップからのメッセージでもあります」
会社が、学びの場をしっかりと提供しても、それを余すところなく活用できるかは個人次第。元々持っている能力も、高めるべき能力も個人ごとに異なるならば、個別に教育を行うことが効果的という考えだ。