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第3回「ビジネスパーソン1000人調査」働き方に関する意識アンケート結果男性の4人に1人が「女性の活躍」イメージ持てず
●日本能率協会グループ
日本能率協会グループは、全国のビジネスパーソン1000人に対する意識調査を実施し、その結果を発表した。この調査は働く人びとに焦点を当て、その時々の旬の話題をデータで紹介するシリーズで、第3回は「働き方」をテーマに取り上げている。
今回の調査では、女性の活躍について男女間で思い描くイメージにギャップがあることや、仕事の充実感に対する年代差、ビジネスパーソンが労働時間ではなく成果に応じて賃金が支払われる働き方(ホワイトカラー・エグゼンプション)にネガティブなイメージを抱いていることが浮き彫りとなった。
女性の活躍についてどのようなイメージを持っているかを問う設問では「子育てをしながら働いている」が男性33.8%、女性42.6%と最も高い。2位以下については男女間で差があり、男性は2位「男性と同じ仕事をしている」(26.6%)、3位「女性ならではの仕事をしている」(22.8%)と続く。また、男性の4人に1人は女性活躍のイメージが「特にない」(26.1%)と回答している。女性は2位「管理職として働いている」(35.1%)、3位「専門職として働いている」(33.1%)となった。男性は「女性の活躍」と聞いても具体的な職位に就くことをイメージできておらず、意識ギャップを埋めるためには、女性が活躍する具体的な姿を社内で共有することが第一歩であろう。
また、男女問わず現在の仕事に対するやりがいを聞いたところ(単一回答)、「やりがいを感じている」人が53.7%、「やりがいを感じていない」人は46.3%。やりがいを感じている人は、その理由として(複数回答)、1位「やりたい仕事ができている」(33.1%)、2位「誰かの役に立っている実感がある」(29.1%)、3位「お客様から感謝されている」(20.5%)と回答している。やりがいを感じられない人はその理由として(複数回答)、1位「納得のいく収入が得られていない」(41.0%)、2位「自分が成長している実感がない」(27.4%)、3位「やりたい仕事ができていない」(25.7%)ことを挙げている。
年代別にみると、「仕事のやりがいを感じている」「勤務先への愛着を感じている」「仕事で能力発揮できている」という回答が最も低かったのは40代(それぞれ45.8%、49.4%、48.6%)。「仕事のやりがいを感じていない」54.2%、「勤務先への愛着を感じていない」50.6%、「仕事で能力発揮できていると思わない」51.4%と、ネガティブな回答が上回っている。一方でポジティブな回答が最も多かったのは60代で、「仕事のやりがいを感じている」「勤務先への愛着を感じている」「仕事で能力発揮できている」といった全ての項目で回答者全体の平均を10ポイント以上上回っている。
労働時間規制を緩和し、働いた時間ではなく仕事の成果に応じた給与をもらう働き方(ホワイトカラー・エグゼンプション)をしたいと思うかを聞いたところ(単一回答)、半数以上が「どちらともいえない/わからない」(55.5%)と回答。約20%が「したい」(19.7%)、約25%が「したくない」(24.8%)という結果となった。ホワイトカラー・エグゼンプションで働きたい人は、男性(17.3%)よりも女性(22.7%)が多く、年代別では20代(28.9%)が最多。2015年通常国会での労働基準法改正を視野に、ホワイトカラー・エグゼンプションの議論が深まっているが、今回の調査結果から現状ではビジネスパーソンの理解はまだまだ低く、メリット・デメリットを含め丁寧に説明を重ねる必要があることがわかった。