人材教育 The Movie ~映画でわかる世界と人~ 第11回 「街の灯」
「街の灯」
1931年 米国 プロデューサー・監督・脚本・作曲・編集:チャールズ・チャップリン
チャップリンの映画はどうして、こんなに哀しいのだろう。悲しいのではなく、哀しいのである。名作『街の灯』のラストシーンには、誰もが涙を流す。だがそれは悲しみの涙ではない。人生の哀しさと愛おしさに胸を締めつけられて流す、万感の思いがこもった涙なのだ。これほど、人情の機微を教えてくれる映画はない。80年以上前につくられた無声映画が、かくも色褪せず、時代と国境を越えて胸に迫ってくるとは驚きである。変化の激しい時代だからこそ、こういう不朽の名作をじっくり堪能したいものだ。