ワンワード論語 第20回 「楽」
誰もが仕事に限らず、何事も楽しい気持ちで取り組みたい、楽しいことは長く続けたいと思うものです。今月は、その「楽」について学びましょう。
仕事、日々の生活──身の回りで起こる全てが楽しいことばかりだったら、どんなに幸せか。こう思わない人は、まずいないでしょう。それは昔の人も同じ。とはいえ、世の中、いろいろなことが起こるものです。自分の言動が原因であってもなくても、“禍”──不都合なことは起こります。どうも自分の努力だけでは全てを避けられそうにないようです。そこで、古来から人は、今を楽しく感じられるようになるためにはどうすればいいのか、模索してきました。
●仕事における「楽」とは
“仕事を楽しむ”、これを標榜する企業は多いものです。特に接客業においては、従業員が楽しい気持ちで仕事ができなければ、心からお客様を思って応対することはできません。とはいえ、今、楽しい状態にない人に、“とにかく仕事を楽しみなさい”と命令しても無理でしょう。そこで、今月の論語1が役に立ちます。この教えは「知好楽」と呼ばれる教えで、仕事や打ち込んでいる道における心のレベルを教えてくれます。また同時に、仕事を楽しめるようになるためのステップを教えてくれます。「知」は知識のことで、仕事(対象)を実行するうえで必要なものを得た状態。知ることだけでは本来あまり価値がありませんし、まだ好きにも楽しみにもなっていません。