おわりに まだまだ活躍するために氷河期世代に必要なマインドと支援

採用計画はピーク時の3分の1に
ストレートに大学に進学し卒業したならば1970~1982年生まれが該当する「就職氷河期世代」。第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏(OPINION1)によると、90~92年に160万人前後だったバブル期の採用計画は、95年には65万人前後に激減した。大企業に限ると60万人から20万人前後と、たった数年で3分の1になったのだという。
たとえ正社員になれたとしても、バブル期の積極的採用の反動で、上が詰まって管理職のポストが回ってこず、教育機会、成長機会も減少。管理職になれたとしても、部下の層が薄くプレイングマネジャーにならざるを得ない。仕事は増えるが、年功序列で以前のように賃金が上がり続ける時代でもなく、疲弊するばかり。どの観点から見ても割を食っていると言わざるを得ないのが、就職氷河期世代だ。
しかし、65歳までの雇用が義務づけられ、少なくとも10年以上は働き続けるこの世代には、会社としてもまだまだ活躍してもらう必要がある。個人の視点で考えても、人生100年時代を豊かにするためには、今後も学び成長を続けることが欠かせない。割を食っているというこの氷河期世代の今後の成長や活躍のために、必要なことは何なのだろうか。
自律的キャリア意識に乏しい世代
まず、この世代に足りないと考えられるのが自らキャリアを拓こうという意識である。そもそも氷河期世代は、まだ就社意識が根強く残る人も少なくない。実践女子大学名誉教授の谷内篤博氏(OPINION4)は、大学でも「手取り足取り教えられ、敷かれたレールの上を歩けばいいと思っている世代」と説明する。