CASE3 青森ダイハツモータース 子どもが新入社員の先生!? 幼稚園研修・自衛隊体験が 教えてくれる大切なこと 佐藤 章氏 今 有紀氏 青森ダイハツモータース
青森ダイハツモータースは、2014年から新入社員に幼稚園での現場研修を実施し、自衛隊での生活体験等も行っている。そうした社外での学びから学べることとは。
主要客層を意識し注力
軽自動車を主力に販売する青森ダイハツモータースの主要顧客はファミリー層だ。ユーザーの6割を女性が占める。当然、子連れの顧客も多いが、子どもがいるとどうしても顧客は気や手をとられ、店舗スタッフとゆっくり話すこともままならない。
そこで2014年、前社長の松沼光男氏の発案で新入社員の幼稚園研修が始まった。松沼氏は前任地の栃木ダイハツ販売で「人間力向上」を掲げ、新入社員を幼稚園へ送り込む「キッズ研修」を開始した仕掛け人。次の赴任地の青森でも同様の研修を始めたのだ。
「お子さんが店舗で楽しく遊んでくれれば、またお客様が足を運びやすくなりますからね」(管理本部副本部長総務部部長の佐藤章氏)
当時、専務だった相庭太一氏が社長になった現在も、松沼氏の方針を継承し、研修を続けている。
また、幼稚園研修で学んだ安全への配慮から、キッズコーナーを店舗の中央に配置し、設計も東京のデザイナーに依頼するなど、力の入れようがうかがわれる。女性や親子がメーンターゲットの会社として、生き残りをかけた他社との差別化になればと意識している。
①幼稚園研修 子どもとの遊びはコミュニケーションの教科書
研修ではまず、入社して2カ月後の6月ごろに派遣先の幼稚園へ挨拶を兼ねた事前打ち合わせに行く。翌月の本番ですぐに現場へ入れるよう、先生と注意点などをすり合わせる。