誌上コンサルティング 【第35回】 本社の人材開発部門がグループ会社に 果たすべき役割とは
Q.
当社では、グループ企業80 社でグループ経営に取り組んでおります。
先日、グループの従業員を対象に意識調査を実施し、そのなかで「所属企業が今後、強化・改善していくべき点」について聞いたところ、「管理者の育成」「優秀な人材の確保」という回答が1 位、2位となりました。本社は独立した人材開発部門を持ち、新任管理職の研修などを行つていますが、グループ会社でそういった環境にあるところはほとんどありません。
グループ経営ではグループでの人材強化も行っていかなければなりませんが、同じグループとはいえ、業種も各社の状況もさまざまで、どこから手をつけていいかわかりません。本社の人材開発部門としては、このような状況のなかでどのような役割を果たしていくべきなのでしょうか。
(私鉄・人材開発)
A.
この質問を拝見して、以前、ある私鉄グループの子会社の方と舌をした時のことを思い出した。その方は「親会社から来た幹部社員は、子会社のことを全然理解していない」とこぼされていた。このような不満はその方に隕ったことではなく、多くの企業グループにおいて、子会社の社員が親会社に対して抱く傾向にあるようだ。
グループ経営における人材育成について考える時、そもそも親会社とグループ各社との関係はどうあるべきか、いま現在どのような関係に置かれているのか、を整理して話を進める必要がある。