連載 起業するイノペーターたち [第10回] ヒーリング文化の創造と普及を目指す
![連載 起業するイノペーターたち [第10回]
ヒーリング文化の創造と普及を目指す](/wp-content/uploads/temp_image/5332/1551453538.png)
中小・ベンチャー企業の創業者、後継者の実話から変革への要点を探る
日本における“癒し”ニーズにいち早く着目し、世界で初めてリフレクソロジーサロンを組織的に展開したRAJA の藤田桂子社長。マーケットをゼロから創り上げ、日本にリフレクソロジーという言葉を定着させるとともに、ヒーリング産業の基礎を築き上げた。各地にスクールを開校し厳格な教育に基づくリフレクソロジストやロミロミ・セラピストの養成に努める一方、大多数の卒業生に職業確保の道を与えるなど、雇用拡大の面でも社会に貢献している。
リフレクソロジーのパイオニア
最近、ヒーリング(癒し) とかリフレクソロジーといった言葉をよく耳にするようになった。ヒーリングはまだしも、リフレクソロジーは存在自体が、ほんの数年前まで日本ではほとんど知られていなかった。
それもそのはず、1996 年に日本リフレクソロジー協会(2002 年にRAJA に社名変更)を設立した藤田桂子社長が、日本に初めて紹介したものだからである。
西洋式をベースに東洋人が好む力加減を加えて開発したオリジナルの“イタ気持イイ”技術を「英国式リフレクソロジー」と命名。その後、積極果敢な活動がマスコミに取り上げられ、現在のリフレクソロジー・ブームが始まった。
今日、同社の施術は、各国で開催される世界大会への参加実績により、欧米を始めとしたリフレクソロジストカらRAJAの技術は非常に優れたものとして高い評価を獲得。さらに2001年からは、リフレクソロジーに加えてハワイ伝統のヒーリング「ハワイアン・口ミロミ」の普及にも取り組んでいる。
リフレクソロジーとは、リフレックス(反射)十ロジー(学問)のこと。直訳すると反射学という意味である。反射学とは、身体の一部分、例えば足裏などにある臓器や器官の反射ゾーンを指でくまなく刺激することにより、血液やリンパの流れを改善し、人間が本来持っている自然治癒力を高めるという健康法である。
心臓から送り出された血液は、身体全体に行き渡る過程で全身の細胞や組織に酸素や栄養分を与え、体内の老廃物などを受け取って再び心臓へ戻る。この時、身体の末端部分にある足は、心臓へ血液を送り返すためのポンプの働きをする。「足は第2の心臓」と呼ばれる理由はここにある。つまり、リフレクソロジーは第2の心臓に働きかけることによって血流をスムーズにし、全身の血行を良くするものなのである。
一般に、リフレクソロジーは米国、英国、オーストラリアなど西洋諸国で普及している、ソフトでなでるような刺激の“西洋式”と、中国や台湾など東洋諸国で普及している、関節や棒などを用いて強い痛みを伴う刺激の“東洋式”の2つに大別される。