連載 誌上コンサルティング [第37回] 自律的に自己のキャリアを 考えてもらうための方法、ツールは
Q.
いま、社員1 人ひとりが自律的に自己のキヤリアを考え、自己実現に向けて前進していくことが求められています。その第一歩として、組織横断的に大規模なアセスメントを実施するというアプローチも考えられますが、それでは莫大な手間と時間、費用がかかってしまいます。そのため当社では、アセスメントではなく、各人が自己のビジネススキルのチェックや能力の棚卸しができるような方法を模索しており、それを用いて今後のスキル開発の指針とすることができないものかと悩んでいるところです。何かよいアドバイスはないでしょうか。また、こうしたことを可能にするツールがあれば、ご紹介ください。
(建設・キャリア開発支援)
A.
自律的に自己のキャリアを考え、主体的に動いていく。そんな意哉を持った自律型社員とでもいうべき人材を求める風潮や、そのような社員育成が必要だとする認識が、ここ数年、企業の間で広がっている。特に昨年あたりから、具体的な取り組みを始める業界トップ企業の勣きが顕著だ。
なぜ、最近になって急に、企業が自律型社員を求めるようになったのか。考えられる理由は2つある。
理由の1つは、タイミングとして機が熟してきたからだと思われる。さまざまな交流会や勉強会など横のつながりを通して、企業の人事担当者は情報交換をしているので、他社で社員の自律を育成する取り組みをすれば、「わが社でも」といっか動きが活発になる。