連載 人事徒然草 第4回 数字に表せない目標が大事!
“隠居の随筆”を標榜しているのに毎回理屈っぽい話になっている。横丁の“小言幸兵衛” と改題したほうがよさそうだo 今回もご辛抱願って「評価の納得性」ということについて話してみたい。
「納得感低下!
従業員の3割」という見出しの記事が目に入った(7 月21 日付日本経済新聞)。労働政策研究・研修機構(独立行政法人)が行ったアンケート調査で、対象企業1,066 社のうち、既に成果主義を導入した企業(55.8%) の従業員1万人に、「制度導入後賃金や賞与の評価に納得しているか、公平感は高まったか」など聞き、7,828人からの回答をまとめている。これによれば、訟8 % が以前に比べ「納得感が低下した」、54 % が「変わらなかった」、公平感については19.7% が「低下した」62.4% が「変わらない」、と回答している。一方、成果を上げようという雰囲気は個々の従業員は37.6% 、企業サイドは72.8% が[ 強まった] としている。
これを見る限り「評価についての納得感・公平感抜きに成果志向だけが強まっている」図式になっており、まさに成果主義への厳しい批判が当たっていることになる。
それにしても[ 変わらない] としている人が納得感について54 %、公平感について62.4% に上るとはどうしたことか?
毒にも薬にもならない制度変更が成果主義としてまかり通っているのだろうか。評価の納得性を重視することが成果主義導入の最大のポイントであると考えていたので、ちょっとショックであった。