連載 新しきは足下にあり 第18 回 「自利」即「利他」の経営

閉鎖的な日本企業

相変わらず企業では多くの問題が起き、混乱しているように思えます。
その問題の多くは、企業と社会の関係の問題です。
やや強弁すれば、これまで日本の企業には、自社のなかですべてが完結するという思い込みや、自社は単独で社会に存在し、社会から独立して存在しているという錯覚があったように思えてなりません。
最近、新聞紙上を賑わせている企業買収、敵対的TOB の問題にしても、自社にはそのような事態はまず起こり得ないと思っていたのではないでしょうか。
実はそれらの多くは、これまで自社とは何の接点もなく、とんでもなく遠くにいる人々によって引き起こされていることが多いのです。
つまり企業とは、その存在自体が既にグローバルであり、この地球上の多くの人々の目に晒(さら)されているものであり、だれにも顧客になる権利もあれば、時には株主になる権利もあるのです。
これまで日本の企業は、金融機関やグループ企業による株の持ち合いによる安定株主対策が行き届いていたことにより、強い結束力は反対に情報の閉鎖性や独善的ワンマン経営などを生んでしまいました。
大なり小なりこのような傾向にある日本企業は、今後どのような思想を基盤として経営されるべきなのでしょうか。