連載 研修ファシリテーター入門誌上講座 第8回 研修プログラムの企画のつぼ
効果的な研修になるかどうかは、事前のマーケティングとプログラムの企画が半分の重要性を持っています。研修プログラム設計上の「つぼ」をご紹介しましょう。
研修のプロを育てない前例主義
本誌の読者には、研修の企画をされる方がかなりいらっしゃると思いますが、研修計画を立てる際に、何を基準にして考えられているでしょうか。つまり、どんなプログラムを企画するか、という場面で、どんなファクターを考慮に入れていますか、という質問です。
大企業の場合、研修部門に着任したばかりの方は、前任者のファイルを引き継いで、とりあえず、前年度と同じパターンを継承するというケースをよく見かけます。右も左もわからない状態から、いきなり大冒険をするのは無茶ですから、前例踏襲は堅実で無難なやり方といえるでしょう。
しかし、2年、3年経っても、自分が着任したときの枠組みのまま、特に何も新しい試みを導入することもなく、後任に引き継ぐというケースも、少なくないようです。本誌の読者は、改善・向上意識旺盛の方ばかりでしょうから、「まさか」とお思いになるかもしれませんが、某自治体では、18年前から、全く同じ研修体系、同じ講師、同じ演目、同じダジャレが継続していたというのですから、驚きます。これは極端な例だとしても、4、5年変わらないまま、という会社は結構あるようです。
他方、コンビニに並ぶ商品ラインアップは1年で、がらりと様変わりします。社会の仕組みも人々の考え方も、これだけ急速に変化していくなかで、研修プログラムだけ、旧態依然のままが許されるはずがありません。
なぜ、前例主義がなくならないかといえば、研修担当者の方のコンピテンシー、なかんずく、企画力が体系化されていない、ということに尽きます。つまり、研修のプロが育っていない。社員のニーズをうまく汲み取りながら、会社の経営ビジョンと研修プログラムを擦り合わせ、整合性を持たせた計画を立案する能力の開発ができていないということになります。

