調査レポート リーダーシップ開発の一番の障害は 評価システムの欠如にある
世界のシニアマネジメント1573人に対して実施されたリーダーシップ開発調査において、リーダーシップ開発におけるもっとも大きな障害は、リーダーシップの発揮を測る明確な評価基準がない点であることが明確になった。企業がリーダーシップ育成プログラムを推進するには、設計から評価までの明確な評価基準の導入と、トップの積極的関与が不可欠なのである。
リーダーシップ開発の現状
米国の国際的な研修機関アメリカンマネジメントアソシエーションインターナショナル(AMA)の委託によりThe Human Resource Institute (以下HRI、フロリダ州タンパ大学と提携関係にある非営利調査組織)が行ったリーダーシップ調査結果によれば、現在と10年後のリーダーに求められる能力には、「戦略開発能力」「コミュニケーションスキル」「リーダーを指導する能力」「人材採用力」のほか、「創造性・イノベーションを促進する能力」「結果を出すように促す能力」(図表1)が上位を占めた。特に上位2 つは中国や日本、インドなど急速な成長・変化を遂げるアジア地域に多く見られ、このような環境の中だからこそ変化に迅速に対応でき、先を予測しながら戦略を立てられるリーダーが求められていると分析できる。
リーダーシップ開発は、過去10年の間で非常に注目され成長した領域であったにもかかわらず、なぜ、いまだに需要が高いのだろうか。